好奇心がすばらしく旺盛な人だった。
 言葉は和らかいが、ときどき辛辣だった。
 いつも楽しむ事を忘れなかった。魂で生きようとし、魂で生きていた。

 友が亡くなった。大切な友だった。
 昨年、冬が間近になった頃、余命宣告されたと知らされて、泣き出した私に、すべてを受け入れている、徒に嘆き悲しんで魂をおとしめてくれるなと、厳しい言葉で律してくれた。
 それにね、まだまだ時間はたくさんあるから。あわてないで。普通にしていて。

 病院の食事はなかなかいいと喜んでいた。
 地震のときにメールにした。
 「そちら、いかが?」
 「すべてがOK。」

 寝る前に、いつも心の中で語りかけた。

 先週、夢に現れた。久々のバカ話で、ふたりで大いに笑った。それから、「これでお別れだから」と、さよならを告げられた。
 宣告よりも早かったが、目覚めたとき、彼は亡くなったのだとわかった。心は意外に静かだった。
 
 訃報が巡って届いたのは昨日の朝。夢の中でも、会えたことを感謝するしかない。
 嘆くなと言われたが、涙は勝手にあふれてくる。
 「終わりは、終わりでなくて始まりだから」。
 いつか、私の背中に穴があいていると言って、なでてくれながら、そう教えてくれた。

 迷いもなく、絶望もなく、安らかな魂で旅立ったのだろう。

 幾山川越え去りゆかば寂しさの、果てなむ国ぞ今日も旅行く