百日紅ごくごく水を飲むばかり(石田波郷)

 アスファルトにかげろうが立つ。
 むき出しの肌には、暑く乾いた風。
 つかまえようとしても、つかまえられない遠い日の夏の残像。
 喜びと寂しさが夏の中で交差する。
 熱狂とけだるさが同居して、おりなすのはもの狂おしさ、やるせなさ。

 陽気で高慢なひまわりが、ピエロのようにお道化をする。