「花の美しいのは」永瀬清子
花の美しいのはその紫であることや
薄紅であることによるのではない
何ものか花でないものから
花へ浮かびあがってくるきわが美しいのだ
あるいは花の夜の闇からとも云える
あるいは花の淵からとも云える
あるいは花の蕾そのものであるかもしれぬ
蝉のようにぬけでてくるそのきわがふしぎだ
目に見えぬその移りや動き 劇 あらそい
おだまきや垂れそめた藤がかたちになりでるときの
急速な変化を私自身の身に考えられるだろうか
そのふしぎなしに花が牢固としてあるとしたら
それは花ではない 銅像がマネキンだ
花は咲きそして散る その痛みなしには花でありえない
(永瀬清子)
花の美しいのはその紫であることや
薄紅であることによるのではない
何ものか花でないものから
花へ浮かびあがってくるきわが美しいのだ
あるいは花の夜の闇からとも云える
あるいは花の淵からとも云える
あるいは花の蕾そのものであるかもしれぬ
蝉のようにぬけでてくるそのきわがふしぎだ
目に見えぬその移りや動き 劇 あらそい
おだまきや垂れそめた藤がかたちになりでるときの
急速な変化を私自身の身に考えられるだろうか
そのふしぎなしに花が牢固としてあるとしたら
それは花ではない 銅像がマネキンだ
花は咲きそして散る その痛みなしには花でありえない
(永瀬清子)