風がぶんぶんうなって、気味の悪さに目が覚めた。

 どっどど どどうど どどうど どどう
 青いくるみも吹きとばせ
 すっぱいかりんも吹きとばせ
 どっどど どどうど どどうど どどう

 ぶんぶん、の、どどうどだ。


 中学生の頃、校庭でテニスをしているとき、向こうから竜巻がやってくるのが見えた。後にも先にも竜巻を見たのはそのときばかり。校舎のひさしに隠れたくらいで済んだから、小さなものだったと思うが、粉塵を捲き上げる姿は恐ろしかった。その時、竜巻とは多分無関係だったと思うが、同級生が肩を脱臼した。泣くのを我慢して顔を歪めていたその痛々しさと竜巻が放課後の事件としてセットになっている。

 もう、ずっとずっと前のこと。


 
 どっどど どどうど どどうど どどう
 青いくるみも吹き飛ばせ


 
 春一番、東風、くだり、 涅槃西風(ねはんにし)、薫風、青嵐、真風(まじ)、山背、野分・・・
 日本には2000を上回る風の名前があるそうな。自然が暦の国だから。凪って、流れないから、風にあらず、でも、やっぱり風の名前かな。
 そういえば「風景」って風とながめの組み合わせ。景色ってどちらかというと客観的で、西洋的な見方。対して、風景は主観的・・・前に何かの本で、そんなことを読んだ覚えがある。
 
 
 知らなかった。「スコール」って雨のことかと思ったら、疾風、突風のことだって。


 瘋癲の瘋って、やまいだれに風っていう字。ふらふらしすぎか。無為に過ごすことが平気な人のこと、世の中は怖いだろうなあ。労働は尊い、と信じて疑わないとすれば。瘋癲の寅さんで街があふれる光景に背筋はゾクッとね・・・。
 


 あれあれ、の脱線。
 極楽とんぼが飛ぶ空は、安楽で長閑で・・・風ってやっぱり吹いているのかなあ。ふらりふらりの瘋のほう?