毎日暑い日が続きますね。

久しぶりに風邪をひいた挙句、副鼻腔炎になって

しまいました・・・。健康は大事ですね。

 

皆さんにとってはどんな1ヶ月でしたか?


今月、印象に残った一冊をご紹介します。

和田 竜さんの『村上海賊の娘(一)』です。

 

 

戦国時代、その名を轟かせた海賊衆がいた。
その名は村上海賊。瀬戸内海の島々に根を張り、
強勢を誇る村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは
娘の景だった。

 

身長は180センチ。長い手足に小さな頭。
鼻梁は嘴のごとく鋭く、高い。目は大きく、釣りあがっており、
口も大きくて唇も分厚い。
これが、景の形容です。外人モデルの容貌ですよね。
背が高くて顔立ちがハッキリ。

 

しかし、時は戦国時代。当時、美人とされる女性といえば
色白でほっぺがふっくら下ぶくれ(?)で目や鼻のパーツが
小さい、小柄な女性。
つまり、景は真逆なビジュアルな訳です。
おかげで景は醜女、などと言われる始末。ひどいな。
今の世の中だったら随分ともてはやされたと思うのですが。

 

そしてこの景という女性、気性が荒々しい。海賊稼業に精を出し、
本来女子は船に乗ってはならぬ、という決まりを無視して船に

乗り込み、規則を破った船を乗っ取り、その船に乗っていた

者の額に焼きごてを当てたりして楽しんでいる(!)のです。


これがね、『規則だから』とかそういう型にはまった理由では

なくてですね、単に好きでやってるのです。焼きごてを当てられて

泣き叫んでいる男の姿を見て笑っているのですから。怖すぎます。

 

景は戦を経験していないため、ぜひとも戦に出たい!
と考えています。当時としては、考え方も頭の中もまるっきり

規格外な女性なのでしょうね。
でも、まわりから醜女と言われていることは知っているし
気にしてはいる。しかし、うじうじと考えはせず、自分とは

正反対の知的な雰囲気の男がいいなあとか思っている。
いい男を見かけると上から下までジロジロと見つめてしまう。
そんなところは子供っぽくて可愛くもあるのですが。

 

ちょっぴり考えが浅くて、直情型でトラブルメーカーの景。
そんな彼女に父親が考えた結婚相手とは。

これには大いに政治的要因が関係します。


当時、織田信長と大坂本願寺が対立。
織田方より兵糧攻めを受けている大坂本願寺は、毛利家へ

兵糧入れの依頼をします。毛利家は兵糧入れを決めましたが、

兵糧を運ぶには海賊である能島村上の力が必要であるため、

村上と交渉を行います。

 

そこで景の父親、村上武吉が毛利側に提示した条件は、
毛利家直属の警護衆水軍の長、児玉就英が、景を嫁に

もらうことだったのです。就英は結婚の話が引く手数多の

いい男であり、バッチリ景の好みのタイプ。

一方就英は、海賊を罰する景の姿を別の船から見ており、

何という醜女であり悍婦なのだ!と思っていたので、この話は

まっぴらごめんだとその場で断ってしまいます。

か、かわいそうな景。

 

それでも景はめげません。
泉州あたありでは、景の容姿は美人とされるに違いない、という
爺さんの一言で、泉州海賊たちがいる大坂本願寺行きの船に

乗っていってしまいます。

ちょっと!!自分自身の立場がどちらにつくのかはっきりして

いない戦場へ、ちやほやされるために、あわよくば結婚相手を

見つけるために行っちゃうの!?オイオイ。
そんな景には、昔から景に振り回され続けてきた弟の景親が
ついていきますが…。

 

情報量も登場人物も多いのですが、人物一人ひとりの
いでたちや性格がハッキリとしていてわかりやすく、混乱
することなく読み進めることができます。


完全無欠なカンジの人が出てこないのが、またいいのです。
みんなどこか優れていて、足りない。そのことがそれぞれの
人物の魅力を浮き立たせているように感じます。

景がこれから巻き起こすであろう問題にドキドキしつつ
次巻へ向かいたいと思います。

 

 

 

今月のレビュー結果

今月イラストレビューした本
25冊

ブログをはじめてからイラストレビューした本累計
279冊

 

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