隣町に居た同級生の自閉症の男の子S君。
同じ養護学校に入学する前から
交流があった。
地元には養護学校が高等学部しかなく
小学部から入学したい時は
120㎞離れた市の養護学校へ
行かなければならず
遠方の生徒は寄宿舎生活となった。
息子もS君も特別支援学校(養護学校)を
選んだため二人とも同時に寄宿舎生活が
始まった。
寄宿舎は毎週金曜日の下校時間までに
お迎えに行き日曜日の夕食までに戻る。
夏休みなどの長期休みは自宅に帰る。
そのような生活が始まって
最初は二人とも親から離れるのが嫌で
大泣きしながら舎に戻った。
しかし 数ヵ月後‥‥
明らかな違いが出てくる。
S君は舎の生活に慣れたのか
それほど嫌がらず日曜日に戻ってきても
笑顔で家族とさよならをして
舎に入っていた。
ところが 息子は日曜日になると
寄宿舎に戻るのが分かるため
車に乗るのも嫌がり
何とか乗っても 着く頃になると
行きたくなくて大泣きし暴れ抵抗した。
まだ 6歳。体も小さいため
暴れてもさほどでなかったが
車内にしがみついて降りないことが
多くなった。
毎回 泣き叫んで嫌がる息子を
舎に置いてくるのは
私も娘にも 勿論息子にも
大きなストレスだった。
何とか舎に預けても
自宅までの帰り道 ずーっと
後ろ髪を引かれながら2時間車で走った。
そんな生活が1年過ぎ
相変わらずS君は嬉しそうに舎へ戻っていく。
息子はギャン泣き。
娘がこの状況に耐えられず
「この街に引っ越そうよ」
と言ってくれた。
娘はこの時小学校5年生。
転校しなければならない事を聞くと
「それでもいい」 と言った。
結局 息子が小学部2年の3学期から
家族3人で古い一軒家に住み
スクールバスでの通学生となった。
S君は 養護学校中学部卒業まで
寄宿舎生活を送り
その後は地元の養護学校高等学部に
転校しその学校の寄宿舎に入った。
S君は高等学部卒業後
息子の居るこの街の 障がい者福祉施設に
入所したらしい。
息子もS君も小学部時代は同じような感じの
子だった。
音に敏感で よく変わった曲や音で
耳をふさぎ泣いて暴れていた。
ある日 イヤーマフを装着するように
なってから二人とも音に過敏に反応
しなくなり 運動会や行事でも少しずつ
落ち着いて参加出来るようになってきた。
寄宿舎生活を12年間してきたS君と
ほとんど自宅で生活した息子。
一概には言えないけれど
S君は大人になった。
私が思うに 親から離れて寄宿舎で
生活を続けてきたことは
間違いなくS君を成長させたと思う。
息子もあのまま寄宿舎生活を続けていたら
何かあってもすぐ暴れたりせずに
気持ちを切り替える事が出来るように
なっていたのかなぁ‥
なんて 思った。
息子のためを考えたら‥‥
なにが正解だったのか‥‥
わからないけど。
その時その時の状況をみて
必死に考えてやってきた
のだから‥‥
これで悔いはない。
生活はずーっと大変だったけど
3人で暮らせて楽しかったし( ;∀;)ホント
何より この街に出て来て
良かった。
この養護学校に通えて
良かった。
そんな事を じわじわ思う今日この頃。
でも 思い出に浸ってばかりもいられない。
入所まで やることがいっぱい( ̄▽ ̄;)
ちゃんと 準備しなきゃ(  ̄ー ̄)ノ‥ガンバルゾ