ぷっつんしそうだと思った時はもう遅い。
ぷっつんした。
なにもかも投げ捨てた。
放棄した。
みんなに迷惑かけた。
君に嫌われた。
指輪を外して置いてきた。
あと10日であたしは19歳になる。
もうほんとに駄目かもしれない。
誕生日が命日っていうのも粋じゃないか。
覚悟はもうできてる。
王子様が迎えにきてくれなかったら
それで終わり。
全部終わり。
この時をずっと待ってた。
やっとこの苦痛から解放される。
長かった。
どこでどんなふうにやろうか。
樹海行こうか。
樹海ってどこにあんだ。
くるしい、ずっと前からくるしい。
いつも水中にいるみたいに息が吸えないんだよ。
早く水中から出て息を吸いたい。
肺いっぱいに酸素を入れてこの呪縛から解放されたい。
最近月が妙に大きい気がするんだけど。
衝突しないかな。
人類早く滅亡しないかな。
あたし早く死なないかな。
どうやら衝突も滅亡もまだしそうにないので
あたしだけみんなより先に空飛んでくるよ。
この間四次元の世界に行く夢を見た。
視界がぐにゃぐにゃだった。
知らない男の人が立ってた。
あたしは人として存在してなかった。
ただ意識だけはあった。
恐らく近い未来、次元のレベルが1つあがるだろう。
世界は意識だけの世界になる。
それが死後ってことだ。
みんな気付かないうちにそうなってるから
自分が死んだことに気付かないんだ。
あたしは少し先にそっちに行くんだ。
姿形のない、意識だけの世界。
あたしの理想の世界。
容姿を気にすることもない。
ただそこに自分が在るという意識だけが存在する。
競争もない。
戦争もない。
平和な世界。