プロポーズ? | 青いたんぽぽ

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「そろそろ、結婚しようか?」

 

いつもお世話になっている雑誌の兄さんとの撮影

楽屋で次の撮影を待っているとき、隣に座って用意されている雑誌をなんとなく読んでいる兄さんに、突然そんなことを言われて驚いてそっちを見る

 

「は?」

「結婚だよ」

「えっと…誰と誰が?」

「決まってるじゃんか。俺と翔くん」

「いや、待って。結婚って…っていうか、そろそろって。いつ、オレら付き合ってたの?」

「付き合ってんじゃねぇかよ」

「は?!いやいや、兄さん。落ち着いて」

「落ち着いてるけど?落ち着いてねぇのは、翔くんじゃん」

「これが、落ち着けると思う?何なの、急に…」

「急じゃねぇよ。結構、考えてたんだけどなぁ」

「考えてたって…兄さん、もっとよく考えて。付き合うって、知ってる?」

「バカにしてんの?」

「してないよ!オレと兄さんが恋…いや、そういう関係にいつなったの?」

「あの祭り」

「え?」

「昔、ばったり会ったじゃん」

「ああ、すごい昔ね」

「そ。そん時さ、俺、翔くんに『運命だね』って言ったじゃん」

「うん」

「そしたら翔くんが『うん!』って。可愛い笑顔でさ」

「可愛いか?それなら、兄さんの方が可愛い顔してたじゃん」

「今は、いい男になっただろ」

「自分で言いますか…」

「でさ、翔くん、俺のこと好きなんだなって」

「は?!」

「なら、付き合おうって」

「兄さんの思考回路が分かんねぇ…」

「だから、それからいろんなとこ行ったじゃん」

「だからの意味が分かんないけど…まぁ、行ったね」

「いっぱいデートしてさ」

「デート?」

「舞台見に行ったり、買い物したりしたじゃんか」

「ええ、しました」

「ご飯も食べに行ったり、飲みにも行った」

「行きました」

「飲みに行った時もさ、帰りに翔くん家に行ってさ」

「はい」

「潰れた翔くん、介抱してさ」

「その節はすみません」

「可愛くてエロい翔くんにちゅー…」

「は?!おい、ちょっと待て」

「ホントさ、翔くん可愛いんだもん。でも、潰れてる翔くんを襲っちゃいけないかって…」

「襲われそうになったの、オレ?!」

「襲ってないよ。しそうになっただけ。でも、翔くん、チューは受け入れてくれてさ。俺の腕なんか、きゅって握ってさ。そん時の翔くんの声がさ…」

「そっそれ以上、言うな」

「そう?」

「うん」

 

「なっ、俺ら付き合ってんだろ?」

 

なんでしょう、その兄さんの満面の笑みのどや顔は…

どうしよう…なんか、大きく勘違いされてるような…

 

「…兄さん」

「ん?」

「仮にオレらが付き合ってるとして」

「付き合ってるって」

「まぁ分かったって。そのお付き合いってさ」

「うん」

「世間一般的に、男女がすることじゃん。まぁ、同性同士もあるけど」

「うん」

「結婚となると、まだ日本では難しいでしょ」

「何?俺と結婚するの、嫌なの?」

「嫌とか…」

「嫌なんだろ?」

「そうとは言ってないでしょ」

「なら、いいんだ」

「は?!」

 

兄さんは、よしっ!って言って、勢いよく椅子から立ち上がる

 

「俺、マネージャーに聞いてくる」

「なっ何を?」

「俺と翔くんの休み。合わせてもらうようにしてくれって。ついでに、教会も探してもらおう。あっ、いいよな、教会で」

「う…うん…じゃなくて!」

「待ってろよ。なんとかしてもらうから」

 

兄さんは急に真面目な顔をして、オレの頬に手を当てる

 

「愛してっぞ、翔くん」

 

そう言うと優しくオレの唇に自分の唇を重ね

 

「じゃ、行ってくっから」

 

オレに微笑んで楽屋から出て行った

 

その場に残されたオレは顔が真っ赤になって、鼓動が速くなる

 

なっ何なの!今のは?!

 

両手で顔を覆って、机に突っ伏していれば

 

「さっ櫻井さん!!今、大野さんに…」

 

なんて、慌てて楽屋に入ってきたマネージャー

 

まぁ、そうなるよな

 

オレは急に可笑しくなって笑って

 

「そのことなんだけど」

「はい」

 

 

「オレからもお願いするわ」

 

 

オレの言葉に百面相になっているマネージャーを見ながら椅子から立ち上がり

 

「迷惑かけるけど、よろしくお願いいたします」

 

そう言って頭を下げた