日曜日の午後 12 | 青いたんぽぽ

青いたんぽぽ

ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←





いい大人の男同士が仲良く手を繋ぐことってある?


ねぇーよっ!!



「あのっ」



中に入り、チケット売り場でようやく歩きが止まり、そこでやっと相葉くんに声を掛けた



「ん?」


「これ」



さすがに周りに見られてるのが恥ずかしくて、分かりやすいように握られてる手に力を入れる



「離したくない?でも、ごめんね。チケット買わないと」



こいつの思考を一度覗いてみたい…



「そうじゃねぇーよ」


「え?」


「手」


「はい?」


「おかしいだろ、こんなの」


「こんなの?」


「いい大人が手を繋いで歩いてたら」



オレがそう言えば、相葉くんはふふって笑って



「恥ずかしい?」


「当たり前だろ」

 

「櫻井さんは」


「何?」


「やっぱり、優しい人なんですね」


「どういう意味だよ?」



相葉くんは優しい顔つきになって



「俺、そういうとこが櫻井さんの魅力の1つだと思いますよ」


「は?」


「相手への思いやりが出来る人なんだってことですよ」



相葉くんはそう言って手を離し、待っててくださいねって、チケット売り場へ歩いて行った


オレは離された手と相葉くんの後ろ姿を交互に見ながら、さっきまであった手の温かさが無くなって少し寂しい気分になったのは、なぜなんだろう…

 

 開いた手をぎゅっと握ってると、チケットを買ってきた相葉くんが目の前に立っていた



「櫻井さん?」


「え?」


「どうかしましたか?」



少し心配そうに聞いてくるけど、今思っていたことなんて言えるはずもない



「なんでもないよ。それより、チケット代」


「ああ。俺が誘ったんですから、俺が払いますよ」


「いいよ、払う」



カバンから財布を取り出そうとしたら、その手をつかまれた



「それなら」


「え?」





見てるときに手を繋いでてもいいですか?