別にオレとじゃなくても良くね?
って思うほど、会社帰りのおっさん達が真っ赤な顔をして飲んでいる居酒屋
空いていた小上がりに行き、店内を見渡して
「ここなの?」
思わず心の声が漏れてしまうほど、どこにでもある誰でも入れるとこで
わざわざオレを連れて来たいと思うほどでもないだろう
「すみません。ここじゃないんですよ」
相葉くんはそう言いながら、ジャケットを脱いで綺麗に畳んでオレを座るように促す
オレも脱いで軽く畳んで脇に置いた
「とりあえず、ビールでいいですか?」
「うん」
相葉くんは、ビールと軽いツマミを何品か頼む
「しっかり食べたいですか?」
「うーん、いいや。次、行くんだろ?」
「そうですね。向こうの方が料理は美味いらしいですよ」
「リサーチ済みなの?」
「バレちゃいましたね」
相葉くんは悪びれた風もなく笑って、タイミングよく来たビールをオレに渡し、自分も手にする
「とりあえず、乾杯です」
「ああ」
にこにこ笑って言うから、まぁいいかってグラスを合わせた