あなただけをみつめる。20 | 青いたんぽぽ

青いたんぽぽ

ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←

 

 

遊園地なんて、いつ行ったんだろう・・・

覚えてないっすwww

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

 

いつぶりだろう、こんな賑やかな感じは。

幼いころ、両親に連れて来られた過去の記憶しかなくて。

大人になってからは、無い。

手首に付けた、緑のペラペラなリストバンドを見つめて。

 

こんな所、たぶん、雅紀とじゃなきゃ来ないなw

 

横で楽しそうにパンフレットを見つめてる雅紀を見た。

 

「何?」

「ううん。楽しそうだなって」

「ふふふ。だって、こういうとこ好きだもん」

「だろうね」

「しょーちゃんは?」

「久しぶりすぎて、分かんない」

「じゃ、思い出そう!」

「楽しそうだねw」

「楽しまなきゃね!じゃ、これ行こう!」

 

雅紀がパンフレットを指したのは・・・

 

ここの目玉の絶叫コースター

 

 

「ぜってぇー行かねぇー!!!!!!!」

 

 

 

 

「大丈夫?」

 

大丈夫なわけねぇだろ・・・

こいつ、オレを殺す気だったんだ、たぶん・・・

 

言葉を返す気にも慣れなず、ベンチに死んだように座ってるオレの隣で、心配そうな顔して水の入ったペットボトルを差し出してくれる雅紀。

オレは、震える手を必死に抑えながら、ペットボトルを掴む。

 

「死ぬかと思った・・・」

 

そう呟き、一口飲むと少しは生き返った。

 

「ごめんね!こんなしょーちゃんになるなんて思ってなくて!」

「だろうね」

「ホントにごめん!」

「もういいから」

 

必死に謝る雅紀になんか悪くて、無理やり笑って。

 

「次は何乗るの?」

 

って聞けば。

雅紀は、恐る恐る目の前のアトラクションを指したのは・・・・

 

見上げる高さから落ちるアトラクション

 

 

「お前、ざけんなっ!!!!!」

 

 

 

オレはもう、今日は使い物になりません。

誰だよ、こんな絶叫系を考えたやつは。

説教しやる!なんて思ったけど・・

 

「しょーちゃん」

「何?」

「大丈夫?」

「大丈夫ではないです」

 

遊園地ってこんなに疲れるもんだったとは思わなかった。

でも、だんだん、それが楽しくなってる自分がいた。

 

「うそだよ」

 

アトラクションに乗るたびに心配そうに聞いてくる雅紀が可笑しくなってきた。

 

「もう、なんでも大丈夫」

「ホント?」

「うん。でも、少し休もうよ」

 

オレはベンチに腰掛け、立っている雅紀に座るように促す。

雅紀は素直に隣に座った。

ほぼ、アトラクションを制覇したオレら。

これだけ乗れば、もとは取れてるだろうw

 

暮れかかってる空を見上げる。

 

「楽しかったなぁ」

「ホント?」

「死にそうに何回かなったけどw」

「すみません」

「いいよ、ホント楽しかったし。雅紀は楽しかった?」

「すごく!これだけ付き合ってくれるやつ、しょーちゃんが初めて!」

 

そうなのかよw

 

オレは笑ってから、自分のバックからラッピングしてある箱を取り出して、雅紀に差し出す。

 

「あわてんぼうのサンタクロースの友達から」

「え?」

「誕生日は忙しいでしょ。だからね」

 

雅紀は驚いて、その箱を受け取らない。

 

「受け取ってくんねぇの?w」

「え?あっうん。いや、受け取ります!!」

 

雅紀はオレから受け取るとぎゅっと箱を抱きしめる。

 

「ありがとう」

「いえ、どうしまして」

「開けていい?」

「どうぞ」

 

雅紀は丁寧にラッピングをほどき、中身を見て嬉しそうな顔した。

 

「先生だから、ネクタイにしました」

 

雅紀に似合う色の緑色。

 

「オレの勝手なイメージなんだけど、雅紀は爽やかな緑色でさ。太陽の光を浴びてキラキラ光る葉のイメージなんだ」

「葉っぱ?」

「うーんと。なんだろう、ほら、春にさ、校舎に入る前に桜の木があるじゃん。花が散って葉だけが残って、太陽が射し込む。キラキラ光って凄く綺麗なんだ」

 

って言っててわかるかなぁー?って思うんだけど、上手く表現出来なくて・・・

 

「雅紀を見てると、頑張ろうって気になんのね、オレ。いろいろ悩んでても仕方ない。やるしかないだろってw」

「褒められてるよね、俺」

「すっごく褒めてます」

 

雅紀は笑って、オレのあげたネクタイを首にかける。

 

「似合う?」

「その恰好じゃなwでも、イメージは完璧」

「これ、明日からしていくね」

「うん」

 

雅紀の嬉しそうな顔が見れて、今日一日死にかけたけど、良かった。

 

「そろそろ、帰ろうか」

 

もう乗るものもないし、オレは雅紀にそう言うと。

 

「あっ」

「ん?」

「あと一個だけ、付き合って」

「え?何?」

「遊園地の〆と言ったら、あれでしょ!」

 

雅紀は満面の笑みで指す方向には・・・・

 

オレの最大難所

 

遊園地の象徴

 

観覧車

 

 

 

 

こいつ、オレのこと、マジで殺す気だ・・・・・

 

 

 

 

 

 

つづく