おしっ!
これがホントに着地です。
お付き合いありがとうございました!!!
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部屋、行こう
オレの言葉に雅紀は驚いたが、すぐにニッて笑って走り出した。
部屋につくと同時に抱きしめられるのかと思ったが・・
「しょーちゃん、コーヒー飲む?」
なんてあっさりと部屋に入り、キッチンに立って薬缶をコンロに置き、火をつけた。
あれ?もしかして、オレだけが何か期待してたの?
急に恥ずかしくなって、ソファに座り手元にあったクッションを抱きしめる。
そんなオレを見て、雅紀はくくって笑って。
「しょーちゃん、何か期待してた?」
「うっうるさい!」
余裕の顔の雅紀に腹を立てながら、さくらの部屋を見ればいない・・
「あれ?さくらは?」
「え、うん。今日は店長に預けてきた」
「なんで?」
せっかく、久しぶりに遊ぼうかと思ったのに。
そう思ってるうちに、雅紀はオレの隣に座る。
「今日はね、さくらに邪魔しないでもらおうかと思ってさ」
急に男の顔になった雅紀がオレの頬に手を当てる。
しょーちゃんの気持ち、聞かせてくれるんでしょ?
雅紀に手を当てられてる頬が熱くって。いや、身体全体が熱い。
そうだ。オレの気持ち。
気持ちを雅紀に伝えようって思って会うことにした。
それなのに、恥ずかしさが勝って雅紀の顔も見れなくて。
「しょーちゃん?」
「あっあのさ」
何をどう言えばいいのか。
仕事や友達との話なんてすらすら言えるのに、自分の気持ちを言うのがこんなにも恥ずかしくなるなんて今まで一度もなくて。
今まで付き合った子たちだって、真剣に付き合ってたけど、こんな気持ちになったことなくて。
緊張して、喉がカラカラになってきた。
「まさ…」
「あっ、お湯が沸いた」
「はぁ?!」
意を決して雅紀を呼んだのに、タイミングよくお湯が沸いたらしい。
雅紀は、ごめん。って言って立ち上がり、キッチンに向かうとコーヒーを淹れ、カップを二つテーブルの上に置いて、オレの隣に座った。
「喉、乾いたでしょ?」
どこまでも余裕の雅紀。
オレは素直に頷いて、一口飲む。
雅紀も飲むと、カップをテーブルに置き。
「しょーちゃん」
「ん?」
「俺さ、しょーちゃんに初めて会った時から、ずっとしょーちゃんのことだけ見てきた。一目惚れって言ったよね。今まで、俺、そんなことなくてさ。まさか、男にするなんて思ってもみなくて。正直驚いたんだけど、でもそんなことどーでもよくて。しょーちゃんのこと好きって気持ち伝えて。でも、しょーちゃんは普通の男だし、上手くいくなんて思ってなくて。そう思ったら、しょーちゃんと仲良くなったさくらと一緒にいればいいかって思ってさ。さくらには悪いけど、さくらにしょーちゃんを重ねて大事にしようって。けど、違うんだよね?そう思ってもいいんだよね?」
雅紀は真剣な顔でオレを見つめる。
やっぱり、ニノの言ってた通り。さくらのことはそうだった。
オレとうまくいかなくても、それでいいって。
「雅紀」
「ん?」
「オレは、雅紀の気持ちに嘘はないと思ってたよ。さくらのことも、ニノから教えてもらって」
「ニノは頭がいいからね」
「うん。オレ、こんなにも自分に鈍感だったなんて気が付かなかったよ。雅紀、ごめんな」
「しょーちゃんが謝ることないよ」
「ありがとう。けどさ、雅紀のこと、友達として好きだって思ってた。ニノや松潤や智くんと同じだと思ってたんだけど。そうじゃないんだって。全然違うんだって。仕事ですげー忙しくなって、雅紀と会えなくなって、会えない時間がどんどん増えていって。声が聴きたい。顔がみたい。雅紀に会いたいってずっと思って。あの時、雅紀が会いに来てくれた時、すげー嬉しくて。雅紀を感じたくて。抱きしめてもらって。オレ…
雅紀が好きだ」
雅紀の顔を見て、はっきり言った。
この気持ちに嘘はない。
オレの気持ちは、雅紀と同じ。
「今まで、待たせてごめん。オレは雅紀と同じ気持ちだよ」
オレは雅紀の首に腕を回し。
「雅紀、好き」
「しょーちゃん」
雅紀はオレを抱きしめる。
「やっと、しょーちゃんの気持ち聞けた」
「ごめん」
「だから、謝らないで。俺がなんか悪いことしてるみたいじゃん」
「そうじゃねぇけど」
雅紀はふふふと笑って、オレを一度離し、オレの顔を見つめる。
「しょーちゃん、ありがと」
「え?」
「俺を好きになってくれて」
「オレもだ」
雅紀は優しく微笑むと、オレにキスをする。
「ずっと、俺と居てくれる?」
「いるよ」
「じゃさ、すぐじゃなくてもいいから、俺としょーちゃんとさくらとここで住もう。
3人で一緒にいよう」
「え?」
「もうさ、離れたくないんだよ。あんなに会えない日が続くの俺耐えられない。しょーちゃんもでしょ?」
拗ね気味の雅紀が愛おしい。
オレは笑って。
「オレもあんなとこで、勢い余って恥ずかしいこと言えないよ」
「そう?可愛かったよ」
「可愛くねぇよ」
お互いくすくす笑いながら、何度もキスを繰り返す。
「しょーちゃん、好き」
「オレも、雅紀が好き」
これからいろんなことを乗り越えていかなきゃいけないけど、雅紀となら大丈夫。
だから・・・
一緒に住もう、雅紀。
「しょーちゃん、さくらのごはん、あげた?」
「あげたよ!」
「もう、時間だよ!」
「わかってるって!!!」
オレはさくらの頭を撫でて。
「じゃ、さくら行ってくるよ」
「しょーちゃん!」
「わかってるって!!」
雅紀が玄関から、オレを呼ぶ。
オレはソファに置いてあるバックを掴み、玄関に向かう。
玄関に立つ雅紀がオレの腕を掴むと。
「いってらっしゃい」
そう言って頬にキスをする。
「ばっばか!」
「もぉーそろそろ慣れてくれないと」
「うるさい!」
雅紀は笑いながら。
「俺にもしてくれないの?」
って言うから。
「絶対しません」
そう言って、オレは余裕の雅紀の口にしてやる。
「出来んじゃん」
「うるさい」
オレと雅紀は、顔を見合わせて笑い、部屋から出て行った。
おわり