出会い。2 | 青いたんぽぽ

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ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←


私個人の妄想です。

登場人物及びその他もろもろは当然ながらフィクションです(・ω・)b


無論、びーえるです(笑)













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「会わせてやるよ」


つるさんの言葉にウキウキしながら、週末を迎える。先週のような『つまんない』週末じゃない。

デスクの上をとっとと片付けて…とはいかず、先輩に上手く丸め込まれて残業するはめに。

それでも必死に頑張って仕事を終えて、一目散につるさんの店に向かった。


店のドアの前で大きく深呼吸して、ドアを開けると…


なんか、いつもより混んでんじゃん。


言っては失礼だが、つるさんの店はそんなに広くない。多分、20人も入れば一杯になる。

一人で仕切っているから、それくらいが一番ちょうどいいのかもしれない。

しかし週末とはいえ、これほど混んでいるときを俺は見たことがない。


俺は店の雰囲気に圧倒されながら、カウンターの端に座る。

そんな俺をつるさんはすぐに気がつき。

「おせーぞ、こら」

「すいません。会社の先輩に捕まって」

「そっか。社会人だね」

「そうっすよ。って、今日、すげー混んでんね」

俺は振り返りながら、関心したように言う。

「いつもこんなんだと、オレ、店閉めるね」

「商売っ気ねぇ」

「最初からないからね」


顔を戻すと、注文していないのにちゃんといつもの酒が目の前に置いてある。


こういうとこは、商売上手だな。


と、感心しながら俺は黙って一口飲む。


「ん?」


口をつけた瞬間、何か違和感を感じた。嫌なほうじゃなく…


「それ、旨いだろ?」

いたずらが成功した子供のような笑顔でこっちを見ていた。

「うん。なんか違う。けど、すっげーうまい!」

「なんか、そこまで言われると微妙に癪にさわる」

「なんで?これ、つるさんが作ったんじゃねぇの?」


この店はさっき言ったように、つるさんが一人でみんなしている。バイトも使ってない。

だから、出てくるモンはみんなつるさんが作っているもんだと思ってたから…


つるさんは「ニヤリ」と笑って、

「会わせてやるって言っただろ。料理が出来て、笑顔のかわいー子」

「え?」


つるさんは店の奥にあるキッチンに向かって呼んだ。


「なおちゃーん」


その声に背中で店の空気が変わったことを感じる。


え?なに?誰?


つるさんは、待ってなって言って奥に行った。



「…嫌だって、言ったじゃないですか!」

「大丈夫だって。なおちゃんは可愛い」

「言ってることが分かりません」


奥から聞こえるケンカ(?)みたいな声が聞こえる。少し不安になっている俺の後ろのフロアは何か「期待感」みたいなもんを感じる。


一体何なんだよ、今日のこの店の雰囲気は?!



…早めに帰ろ。


そう思った瞬間、「わぁ!!」と店が沸いた。その声の先には…


「…やべ…可愛いじゃん…」


つるさんの背中を押されて奥から出てきた女の子。黒髪で色が白く、ちょっと女の子にしては背が高いかな?ってくらい。ここに出来てきたのが恥ずかしいのか、頬を紅くし、ちょっと涙目で…完全にハマッタ。


声も出せずその場に呆然としている俺とその子と目が合う。


「ぼっ僕、可愛くないですよね!」

突然、俺の目の前に来てその子が叫んだが、俺は声を出さずに首だけを横に振る。

「そんなぁ…気持ち悪いでしょ?」

小首をかしげて聞く姿。


誰が気持ち悪いって思うんだよ!可愛いすぎんだよ!!


と叫びたい…いや、叫ぶ!


そう思って口を開きかけたとたん、

「ゆーすけ、この子」

「は?」

いつの間にか、その子の後ろからつるさんがニヤニヤしながら俺に言ってきた。


「お前に言ってた子。なおちゃんっていうんだ。どう?めちゃくちゃ可愛いだろ?」


俺はその言葉に、激しく頷いた。







つづく