やっと、終わりです(笑)
お付き合いいただき、ありがとうございます。
当たり前ですが、登場人物含めフィクションです(・ω・)b
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
部屋の前で深呼吸。
のくに何と言えばいいか…なんて考えもなくて。
けど、謝らなきゃって。
ドアノブを掴もうとしたら、いきなりドアが開いた。
「うおっ!」
「もうそろそろ、来るんじゃないかって思ってましたよ」
可愛らしい笑顔で崎本が俺の前に立っていた。
「…んで?」
「つるのさんから、野久保さんのこと頼まれてましたから。って、頼まれなくてもきましたけどね」
…こいつ。
崎本は俺の胸元を掴むと耳元で、
「今度、野久保さんを泣かすようなことしたら、ボク全力で上地さんから奪いますから」
「…ぜってぇ、させねぇよ」
一応睨み返すと、崎本は俺から手を離し、のくのほうに向いた。
「じゃ、ボク行きますね。今度は二人っきりでスイーツバイキングでも行きましょうね」
俺には絶対見せない笑顔をのくに見せて、部屋を出て行った。
中に入ると、のくは俺に背を見せて座っていた。
「のく…」
声を掛けても、こっちを見ない。
だから俺はのくに近づいて………後ろから抱きしめた。
「俺、最低で。のくのこと、すっげー傷つけて。いっぱいいっぱい謝らなくちゃだめだって、思って。
ごめん」
そう言ってぎゅって力を込めた。
のくは小さく震えて、聞こえてくるのは小さな嗚咽。
「俺、のくとこういう関係になって、のくの気持ちを全然考えてなくて。のくも俺と同じ気持ちだって勝手に思ってて。けど、全然違ったんだよな。男が男に抱かれるなんて、簡単なことじゃないって。気持ちがなきゃ、そんなこと出来ねぇよな。それなのに、あんなヒドイこと言って、ごめん。最低なやつでホント、ごめん。のくが許してくれるまで謝るから。ずっと、ずっと謝るから…だから、許してくれるんなら、俺の気持ちを聞いて欲しい」
のくの手が俺の腕を掴んだ。
「…ゆーちゃんの気持ちって?」
「俺は、のくが…野久保直樹が好きです」
のくの手に力が入った。
自分の気持ちを素直に伝えて、これでのくに許してもらおうなんて思ってない。
けど、もし…
「僕が…僕が、あの時なんて言ったか覚えてますか?」
「え?」
「ゆーちゃんだから抱かれたんです。ゆーちゃんじゃなきゃ、嫌なんです」
のくは真っ赤な瞳で俺を見る。
「僕もゆーちゃんが、好きです」
見たこともない綺麗な笑顔で言ってくれた。
おわり
以下、おまけ…
学校の屋上。
フェンスにオレはもたれながら、真っ青な空を見つめていた。
「いいんですか、これで」
入り口から、爽やかな笑顔の崎本がオレのほうへ来た。
「う~ん…娘を嫁に出す父親の気持ちってこんな感じなんだろうな」
「オヤジみたい…でも、そんな感じですね」
「サッキーもオレから離れて行くんだよな」
隣に立つ崎本にちょっと意地悪く聞いてみる。
崎本はやっぱりにっこり笑って、
「そうですね…つるのさん次第ですかね?」
「そっか…じゃ、頑張ろうかな?」
「どーぞ」
爽やかな青空の下。
オレは崎本の頬に口付けた。
ホントに終わりです。
最後までお読みいただいてありがとうございましたm(_ _ )m
ちなみに、つる兄とサッキーを書いたのは、初めてです(どーでもいい補足)
この二人の関係は難しい…
登場人物の口調(特にサッキー)は、私の想像です。
なので、「ちょっと、違うよ!!」と思われるかと思いますが、ごめんなさい。
なんて言っても、フィクションですから(σ・∀・)σ