僕らのはじまり 3 | 青いたんぽぽ

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ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←


やっと、終わりです(笑)


お付き合いいただき、ありがとうございます。


当たり前ですが、登場人物含めフィクションです(・ω・)b





゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚






部屋の前で深呼吸。

のくに何と言えばいいか…なんて考えもなくて。

けど、謝らなきゃって。


ドアノブを掴もうとしたら、いきなりドアが開いた。


「うおっ!」


「もうそろそろ、来るんじゃないかって思ってましたよ」


可愛らしい笑顔で崎本が俺の前に立っていた。

「…んで?」

「つるのさんから、野久保さんのこと頼まれてましたから。って、頼まれなくてもきましたけどね」


…こいつ。


崎本は俺の胸元を掴むと耳元で、


「今度、野久保さんを泣かすようなことしたら、ボク全力で上地さんから奪いますから」

「…ぜってぇ、させねぇよ」


一応睨み返すと、崎本は俺から手を離し、のくのほうに向いた。


「じゃ、ボク行きますね。今度は二人っきりでスイーツバイキングでも行きましょうね」

俺には絶対見せない笑顔をのくに見せて、部屋を出て行った。




中に入ると、のくは俺に背を見せて座っていた。


「のく…」


声を掛けても、こっちを見ない。

だから俺はのくに近づいて………後ろから抱きしめた。


「俺、最低で。のくのこと、すっげー傷つけて。いっぱいいっぱい謝らなくちゃだめだって、思って。


ごめん」


そう言ってぎゅって力を込めた。


のくは小さく震えて、聞こえてくるのは小さな嗚咽。


「俺、のくとこういう関係になって、のくの気持ちを全然考えてなくて。のくも俺と同じ気持ちだって勝手に思ってて。けど、全然違ったんだよな。男が男に抱かれるなんて、簡単なことじゃないって。気持ちがなきゃ、そんなこと出来ねぇよな。それなのに、あんなヒドイこと言って、ごめん。最低なやつでホント、ごめん。のくが許してくれるまで謝るから。ずっと、ずっと謝るから…だから、許してくれるんなら、俺の気持ちを聞いて欲しい」


のくの手が俺の腕を掴んだ。


「…ゆーちゃんの気持ちって?」



「俺は、のくが…野久保直樹が好きです」





のくの手に力が入った。


自分の気持ちを素直に伝えて、これでのくに許してもらおうなんて思ってない。

けど、もし…



「僕が…僕が、あの時なんて言ったか覚えてますか?」

「え?」


「ゆーちゃんだから抱かれたんです。ゆーちゃんじゃなきゃ、嫌なんです」


のくは真っ赤な瞳で俺を見る。


「僕もゆーちゃんが、好きです」



見たこともない綺麗な笑顔で言ってくれた。




おわり












以下、おまけ…



学校の屋上。

フェンスにオレはもたれながら、真っ青な空を見つめていた。

「いいんですか、これで」


入り口から、爽やかな笑顔の崎本がオレのほうへ来た。


「う~ん…娘を嫁に出す父親の気持ちってこんな感じなんだろうな」

「オヤジみたい…でも、そんな感じですね」


「サッキーもオレから離れて行くんだよな」

隣に立つ崎本にちょっと意地悪く聞いてみる。

崎本はやっぱりにっこり笑って、

「そうですね…つるのさん次第ですかね?」

「そっか…じゃ、頑張ろうかな?」

「どーぞ」


爽やかな青空の下。

オレは崎本の頬に口付けた。

ホントに終わりです。






最後までお読みいただいてありがとうございましたm(_ _ )m

ちなみに、つる兄とサッキーを書いたのは、初めてです(どーでもいい補足)

この二人の関係は難しい…


登場人物の口調(特にサッキー)は、私の想像です。

なので、「ちょっと、違うよ!!」と思われるかと思いますが、ごめんなさい。

なんて言っても、フィクションですから(σ・∀・)σ