青い空、高い空を飛び回る小鳥は、雲に恋をしました。
自分より高く、速く飛ぶ雲に、恋をしました。
雲に触れたい。
気付いてほしい。
一緒に青空の下を飛びたい。
しかし、どんなに高く飛んでも、どんなに速く飛んでも、雲に追い付くことはありませんでした。
夜なら雲も寝ているかもしれない。
小鳥は昼も夜も飛び続けました。
やがて小鳥は群れから離れ、雲だけを見て過ごしました。
ある日小鳥が目を覚ますと、空に雲は居ませんでした。
雲を見失った小鳥は飛び続けました。
真っ青な空の下を、何日も何日も飛び続けました。
どのくらい眠ったのでしょう。
小鳥の体は冷たく、羽は動かすことができません。
小鳥は気付きました。
そして、風に最期のお願いをしました。
『雲の所まで連れていって。』
大きく風が吹き、ぼろぼろになった小鳥が空高く舞い上がりました。
仲間を失い、命を失い、やっと小鳥の夢が叶いました。
ずっと夢を見付けられなかった小鳥の初めての夢が、やっと叶った真っ青な空の日でした。