真っ白なシーツの
人差し指のところだけ
まぁるく跡の付いている

大好きな父さんと手を
つなぐ夢みてたんだろうか
Mamaがパッキリ目を醒ます
左斜め上見つめたまんまの大きな瞳

だんだん壊れてく
頭の中の大事な場所
言葉にならない記憶

いつになったらおうちに帰れるの
聞かれたのは何年前だったっけ

またお泊まりになっちゃった
言ったらアハハと笑った
あれは脳内出血で病院着いた時

動くこと
食べること
話すこと

命が繋がるたんびに
どれだけ失くしてしまうんだろう

背中にあいた大きなあなと
不随意運動で擦り切れた指先
痛いはずなのに泣かないのなら
私だって泣かないよ

また来るよ
Mamaがほらこっちを向いて
ニコッ
笑うのに間に合うように
また来るよ

したいことたったひとつ
できるならもう少し此処にいて

それなのに
次なにかあったら
そのまま逝かせてくださいと
決めたのは私だよ
おうちにつれて帰れなくて
ごめんね

夜中の電話で急いだけれど
ひとり逝かせてごめんね

病院に最後の支払い行った朝
空はぽっかり晴れていた
2月のくせに暖かい
優しい風が吹いていた
これからはゆっくり笑って
自由でいてね
今までたくさんありがとう