安全活動におけるジレンマついて
会社側(法人)としての考えでは、世間に対する信用・信頼の低下や、事後処理によるコスト面の損失を減らす為、安全活動に取り組む。
社員側(個人)としての考えは、生命活動に関わる損失を減らす為、安全活動に取り組む。
会社は法人というものの人では無いので、人と同じような痛みを感じることが出来ません。
資本主義社会の中で会社が痛みを感じると表現することが出来るのであれば、それは金銭的損失を被る時でしょう。
社員は人であり動物です。骨が折れれば痛みを感じ、微量の放射線を浴びれば被爆し知らぬ間に身体はボロボロになることでしょう。
生きるために必要な能力が低下する可能性があると、人は危険を避けるような行動をとるのです。
会社(法人)は利益を得られなければ痛みを感じます。
社員(個人)は怪我や健康被害で痛みを感じます。
それらを避けるために安全活動を行うのです。
しかし、安全活動には様々なジレンマが存在し、そのジレンマの最悪な結果が災害に繋がってしまうのです。
そこで今回はジレンマの一つを紹介していこうと思います。
僕の友人の職場の話を例にしましょう。友人の職場では人手不足が重大な問題となっていました。
人手不足の中で行う業務はいつも余裕やゆとりがなく小さなミスを毎回のように繰り返していました。
人は減るのに何故か業務は減りません。オーバーワークの中で仕事を回すので精一杯でした。
ある日友人の同僚が災害を起こしてしまったのです。
社員達からすれば一つの作業に人員を多く配置しとけば、各人の意識や認知に余裕やゆとりが生まれ、危険要素や箇所に気づいて対策を練れただろうにと、社員皆が思っていました。
しかし対策として、一つの作業に対して人員を増やすことはありませんでした。
それには二つの理由があります。
1:人手不足はその職場、会社に限った話ではなく国全体が抱えている問題だったからです。
会社としては存在しない人材を、その職場に割り振りたくてもできない。そう言った現状を理由に増やすことができずにいました。
2:一つの作業に対して人を多くすることは会社の痛みになるからです。簡単に説明すると固定費が増して儲けが減るからです。最初の方に述べた話で会社が痛みを感じるとしたら金銭的損失を被った時だと説明した通りです。
なので、実際はこれらの理由をもとに作った対策が、ことを悪化させてしまうことにも気づかず進んでいくのです。
友人の職場に適用された対策は、各個人に災害対策に関する資料を増やして、安全感性を高めようとする内容でした。
業務量が多い中で起きた災害なのに対して会社は資料作成という業務を追加したのです。
この負のスパイラルは止まることがなかったそうです。
このような状況下で起きるジレンマを簡単に説明しましょう。
社員が痛みを避けるためにとる対策は会社に痛みを与えます。
会社が痛みを避けるためにとる対策は社員に痛みを与えます。
これがジレンマとなり間違った判断の種になって災害を引き起こす負のスパイラルです。
このジレンマの対策をざっくりと紹介しましょう。
ちなみに僕は経営者側の立場になったことがないので、社員側の目線で語らせていただきます。
人手不足なら事業を縮小すると良い。
これは能力以上のことをするなと言っているだけです。能力の範囲内で出来ることをやる方がクオリティも下げずに無理なくこなせるのです。
この問題に関しては深く話すとキリがないので、内容が濃い話は別記事で気が向いたら掲載します。
業務改善を行い効率化し一人に掛かる負担を減らしましょう。
と、さんざん言って来られている内容なのですが、多くの人達は業務改善どころか業務の問題に対して文句を述べ、しまいには人手不足だからしかたないと勝手に丸くおさめる。
これでは問題を先延ばしにしているだけです。というよりも皆さんは、そんなこととっくに気づいていると思います。
組織の上の人達はトップダウンだけでは、災害を無くせないと気づいてください。
そして大きい会社程ボトムアップは、難しいと思った方がいいと思います。
その二点を踏まえて今後の問題に対して予防と対策をこうじていきましょう。