漂うように空を飛んだ。

たどり着いた小さな島。

汚れて、くたびれて、もうペンギンなのか鳥なのかも分からない( ̄_ ̄ i)


生き物なのか、海藻なのか、あるいはもうゴミなのか、世界にとって意味の無いソレは正体不明の『それ』になったm(_ _ )m


時折、突風の吹く島の丘の上で毎日を怠惰にやり過ごすだけ(。-人-。)

意味は無く、意味を作ることも無い『それ』は小さなペンギンを見つけた

『あんた何だ?』とペンギンが言う

『分からないんだ。俺は何だった?』

『飛んでる中に全部忘れて、くたびれてここに落ちただけだ、、、』


『これでも食べる?』と小魚を貰う、、、なんだろうこれは、、、懐かしい味だ、、、

『あんたその羽は?空を飛べるのか?実は僕も空を飛びたいんだ。』


遠くの島でペンギンが、空を飛とんだ昔話。

虫を食べて、クチバシを折って、ニワトリの翼で羽ばたいたらしい、、、まさに小さなペンギンは、これからそれを実行する

、、、それはダメだ。その方法はダメだ、、、何も分からないがそれだけは分かる、


『俺が空の飛び方を教えてやる、そうだな。この丘を毎日ダッシュしろ』


苦し紛れに言った言葉だった。


それを真に受けた小さなペンギンだった。


雨も、風も、雪もはねのけて


直ぐに諦めると思ったが、直ぐに世界一足の速いペンギンになった。


『もう飛べるかい?空を飛べるかい?』


参った。とんだ計算違いだ、、、

ダッシュしろなんてデマカセだったのに、、、

直ぐに諦めるはずだったのに、、、


その時丘に、風が吹いた。

とても強い突風だった。


怠惰に過ごしたこの丘の、風の詠み方だけは知っている

それに合わせてダッシュして飛べば、風を掴めば空に浮かぶだろう


『計算通りならこれで飛べるが、飛べなきゃ死ぬがやってみるか?』


小さなペンギンは頷いた。


動力も翼も持ってはいないが、空気力学で空を飛ぼうか


チャンスは一度。


練習も無し。


大切なクチバシを折らせない為に。


小さなペンギンと居るウチに『それ』は少しずつ思い出し始めていた。


かつての自分。

望んだモノと失ったモノ。

挑戦とか、その先のあった虚しい結末とか。


『それ』が全てを思い出すより速く、小さなペンギンが丘を下り始めた。


姿勢を低くとって、追い風と同じ速度でグングン加速して崖へと駆けて行った、、、