『こどもの一生』中島らも

|出版社:集英社

|発売年:2004年

|ページ数:420頁(文庫版)


○ジャンル

コメディ/ホラー

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◯謎ランク

★★★★★☆☆☆☆

|ミステリーではないが展開がまるで

|読めないのは謎

◯物語の楽しさ

★★★★★★★

|テンポが良くギャグがあり最高

◯キャラクターの魅力

★★★★★★★

|天才的な笑えるキャラ達

◯リーダビリティ

★★★★★★★

|超読みやすい

◯得られる知識量

★★★★★★★

|意外に得るものは多い

◯子どもへの安全性

★★★☆☆☆☆☆☆☆

|エロ描写:少々

|グロ描写:有り

◯おすすめ度

★★★★★★★★★

○おすすめポイント

・全編に渡りセンスの塊

・2/3までのユーモアが極めて秀逸

・後半1/3の怒涛のスプラッタ

・キャラがみんな最高、そして笑える

・最高峰のリーダビリティ

◯総合ランク:

 

 

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感想

良くも悪くも完全にエンタメに振りきった内容で読後は何も残っていない。
しいて言うなら「なんかよく分からんけどクソ面白い本を読んだなぁ...」という気持ちだけが残っている。

めっちゃセンスのいい人が書いた高品質ユーモアスプラッタホラーというところか(なんじゃそりゃ笑)

前半のコメディなパートから後半のスプラッタパートまで著者のセンスが光るだけでなく、高い知性が滲み出ているのが非常に素晴らしい。

基本的にはただのおバカ小説なのだが、コメディとしてもスプラッタホラーとしても極めて高い完成度を誇っている。


前半はとにかく笑える。
いい歳こいたおっさんやお姉さんが幼児退行してお遊びするのは時に腹筋崩壊級の爆笑を誘う。

全員良いキャラしているが、みっちゃんとかっちゃん、EMIは特に笑える。

後半は残虐なシーンが続くが、直接的なグロ描写ばだいぶ控えめで恐怖の中にもユーモアはあるので、スプラッタホラーが苦手な人でも楽しんで読めるかもしれない。

本作の殺人鬼であるキャラが怖いんだけど笑えるという設定がユーモアとスプラッタの融合に一役かっている。

超名作『ガダラの豚』とノリが結構近いので、著者に同じような楽しみを求めるなら本作は必ず読んだ方がいいと思う。

知性とセンスを高いレベルで合わせ持った作家というのは本当にすごいと思う。

スプラッタ好きはマストである。

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