『むかし僕が死んだ家』東野圭吾
|出版社:講談社
|発売年:1994年
|ページ数:313頁(文庫版)
○ジャンル
推理/ミステリー/ホラー
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◯謎ランク
|★★★★★★★★☆☆
|失われた記憶を謎の家で探るという
|魅力的な謎
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◯物語の楽しさ
|★★★★★★☆☆☆☆
|謎解きメインで物語としては普通
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◯キャラクターの魅力
|★★★★★☆☆☆☆☆
|同じく謎解きメインのため
|
◯リーダビリティ
|★★★★★★★★★★
|登場人物二人、場面はほぼ家のみ
|適度なページ数と欠点がない
|
◯得られる知識量
|★★★★★★☆☆☆☆
|
◯子どもへの安全性
|★★★★★★☆☆☆☆
|エロ描写:エロス
|グロ描写:無し
|
◯おすすめ度
|★★★★★★★★★☆
|
○おすすめポイント
・魅力的な謎と伏線回収の醍醐味
・ホラーのような雰囲気に満ちている
・とにかく読みやすい
・考察の余地が多い奥深さ
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◯総合ランク:B (あくまでも東野圭吾作品として)
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◇感想
東野圭吾の多才振りには本当に驚かされる。
本作については何を書いてもネタバレになりそうなのであまり多くのことは書けないが、内容としては本格度の高い推理小説になるかと思う。
私は推理小説をほとんど推理しないで読む派なので伏線についてはそれほど深く考えずに読み進めていったのだが、ちゃんと読めばかなりきっちりと伏線が張られているのだと思う。
謎が魅力的なのでもちろんミステリーとして楽しく読んだのだが、個人的に1番本作で優れた要素は完全にホラーな作風であることだ。
ホラーとミステリーはなかなか相性が良く、結末がどうなるかによってジャンルが決まるほど紙一重な存在だと思っている。
本作がどちらに傾くのかは読んでみてのお楽しみだが、ホラーや怪奇幻想が好きな方であれば本作は相当楽しめるのではないかと思う。
私が冒頭で東野圭吾が多才と書いたのは、怪奇幻想という付け焼き刃が通用しなそうなジャンルを極めて自然に書いてしまっているためである。
また私がおバカなだけの可能性もあるのだが、かなり考察の余地がある内容となっており、すらすら読めてしまった割には読後にかなりの時間、レビューやら考察のサイトをネットサーフィンしてしまった。
1冊の小説に深く浸っていたい方にはとてもおすすめである。
本作の総合評価はBとしたが、これはあくまでも他の東野作品比較した相対評価なので、並の作家では書けないレベルの本であることは間違いない。
さくっと読めてなかなか味わい深い作品であり、なおかつ映像化が難しい内容でもあるため小説でしか味わえない魅力を楽しむこともできる。
読書慣れしてない人であればあるほど本作をおすすめしたい。
※以下ちょっとだけネタバレ注意かも
↓ほとんど関係ないが、読み進めている間ずっとFF6の名シーンが頭の中に浮かんでいた。