発達外来の医師に紹介された療育施設は隣の市でしたが、私の住所からは交通のアクセスが良く、駅までバスを使用しましたが、1駅で行けたので、急げばドアtoドアで45分で行かれました。

ショウちゃんとおとなしく手をつないで歩くことは難しかったのでベビーカーからは1度も降ろさずに施設に行きます。

バスのベビーカーの上げ下ろしは結構重くて大変でしたが、たまに優しい方が手伝ってくださったりしました。一人でするときはどうしても足にぶつかってしまうため、脛や膝のあたりに常にアザができてしまっていました。

 

初めはショウちゃんがどんな遊びが好きなのか、何ができて何が苦手なのかを見極めるためのモニタリングから始まりました。

SV(スーパーバイザー)の先生と臨床心理士の先生が一人ずつショウちゃんの様子を観察してどのようなプログラムにするか決めるようでした。

 

モニタリングの様子は見せていただくことはできなかったのですが、普段のセラピーの様子は動画で見ることができました。

 

こちらの施設は運動用の共用スペースがありましたが、完全個室でした。

様々な特性(音に敏感な子、大きな声を出してしまう子)に対応できるように個室になっているのだろうと思います。(直接聞いたわけではありませんが)

 

ドアが閉まっているので中の様子は動画を通して見せていただきました。

前の施設は何かを教え込むような感じでしたが、こちらはおもちゃで一緒に楽しく遊んでいるだけのように見えました。

ただ、常に先生から言葉かけをされていました。ショウちゃんは無言です。

「よく見てたね。かっこいいよ」「今、車を走らせているんだね」などいろいろと言葉をかけてもらっているのですが、ショウちゃんは先生の方を見ることはありません。ショウちゃんの聴力は問題ありません。何の反応もないので聞いているのかどうか分かりません。

ボールが転がって落ちるおもちゃがあり、転がって落ちるのが面白くて一人で笑っていることはありますが、話しかけに対する反応が滅多にありません。

先生とマンツーマンで遊んでもらえるので、ショウちゃんは楽しそうに過ごしていました。

 

フィードバックのときに「ショウちゃんに話しかけても反応がないのでどう話しかけたらいいか分からないです」と先生に相談したことがあるのですが、

「ショウちゃんはこちらを見てくれていなくても、ちゃんとお話を聞いていますよ。どんなことでも良いので、どんどん話しかけてあげてください」とのことでした。

 

セラピー時間はフィードバックを含めて2時間でした。

ショウちゃんは自発的にコミュニケーションをすることはほとんどないため、まずはPECS(ペクス、絵カード交換式コミュニケーションシステム)から始めることになりました。

 

ショウちゃんはもともとマッチングは得意で飛行機が出てくる絵本を見せると、何も頼んでいないのに飛行機のおもちゃを持ってきたりしていたので、PECSはできそうかな、と思いました。

 

案の定、PECSはすぐにできるようになりました。好きなおもちゃの絵カードを先生に渡して、渡せたらそのおもちゃで遊ぶ、ということをやっていました。

PECSはできるようになったのですが、やはり、自分から何かコミュニケーションを取ろうとすることはあまり見られませんでした。

 

比べても仕方のないことですが、ショウちゃんより小さい子でも入室するときに元気な声で「こんにちは」と言えている子がいて、少しだけ羨ましく思ってしまったりすることもありました。

ショウちゃんは無言で教室に入り、帰るときも「さよなら」「バイバイ」は言えないので、なんとか逆さバイバイをやったりやらなかったり、という感じでした。

 

保護者の待合室でたまたまお話したママが、「こちらには週5で通っていて、前住んでいたところは遠かったので、この近くに引っ越しました」と言っているのを聞いてびっくりしました。「近所なのでセラピー中は家に帰って家事もできるんです」とのこと。確かに2時間の待ち時間は主婦にとっては貴重な時間です。理解のあるご主人だなあ、と思いました。

 

発達外来の先生のお墨付きだし、週5で通う人もいるぐらい良いところなんだろう、と週3回、1年ほどこちらに通い続けました。

2歳が終わるころ、療育に楽しく通えていることはショウちゃんにとって良いことだと思うけど、行く前と比べてどうだろう?うーんと考えてしまいました。

活動にはきちんと参加していて、連絡帳には今日は「〇〇ができました」とできたことを書いていただいていて、行かないよりはできることが増えて、いろんな体験ができて良かったのかな?とも思いましたが、当初、思い描いていた発語はまだ全くありません。

3歳になっても単語が1つも出ず、声もほとんど出さないので、とても大人しく過ごしていました。

 

療育に行く前と今とどう違うのだろう?このまま続けても言葉を話すまではまだまだ遠そうだなあ、と少し焦りが出てきて、そのときに読んだ本に影響を受けました。

 

 

上記の本を読み、個別のABA(応用行動分析)を受けさせたい、と思いました。

自費だとかなり高額の出費になるようなので、できれば公費が使えるところ…とネットで懸命に探しました。

 

ようやく探し出せたところは隣の区にある療育施設でした。

隣の区ではあるのですが交通の接続が悪く、2つの区をまたぐようにしてグルっと回らないと行かれないため、片道2時間ほどかかります。

送迎を考えると厳しいかな、とは思いましたが、そこしか公費でABAの療育を受けられるところは見つけられなかったため、まずは見学に行ってきました。

先生はとても感じが良く、うち以外にも遠くから通っている方が多数、いらっしゃるということだったので、頑張って通ってみようか、と思いました。

 

療育(セラピー)は母子分離ですが、見学はできるようになっていました。

ショウちゃんの担当は若い男性の先生でしたが、とても熱心に指導していただきました。

ちゃんと座ってセラピーを受けられるのか心配でしたが、次から次へと課題を出しては、できたらすかさず強化子(ご褒美)を出し、すごく盛り上げて楽しく取り組んでくださったおかげで、ショウちゃんは引き込まれているようでした。

あまりの勢いにちょっとスパルタなような…とも思いましたが、ショウちゃんは決して嫌そうではありませんでした。

セラピー終了後のフィードバックのとき、先生は汗だくでした。

こんなに熱心に指導していただいて、ありがたいと思いました。

 

マンツーマンでいろいろな言葉を教えていただいているので、今度こそお話しできるようになるかも、と期待で胸が膨らみました。

帰りの電車ではショウちゃんは疲れているからか、必ずスヤスヤ寝ていました。

 

強化子はおもちゃ屋さんに売っているようなおもちゃだけでなく、マク〇ナルドのハッピーセットのおもちゃや100均のおもちゃなどバリエーションが多く、驚きました。

ハッピーセットのおもちゃはかなり子供受けが良いそうです。

さすがプロは子供の心を掴むのが上手だなあ、と感服しました。

 

セラピー時間は1時間半、送迎は2時間×2の4時間、家に帰ると私もクタクタに疲れていました。

 

ちょうどそのとき、発達外来に通い始めた頃でした。

発達外来の先生は偶然にもABAを実施している施設に詳しい先生でした。

私の住んでいる場所であれば隣の市に良いところがある、と紹介していただきました。

ABAは週1回だけするより、週3回しっかり受けたほうが効果が出やすい、ということだったので週3回行くことになりました。

隣の区の療育施設は遠すぎて週3回は通えない、という判断になり、とても良かったのですが、2ヶ月で止めることになってしまいました。

やはり、通いやすさを考えると家からの距離も大事な要素になります。

バイオメドの医師からGFCF(グルテンフリーカゼインフリー)をするように指示されたため、小麦と乳製品はショウちゃんに与えないようにしました。

なぜGFCFをするかというとグルテンやカゼインがリーキーガット症候群(腸管漏出症候群)の原因になったり、腸の炎症を悪化させる可能性があるからです。

GFCFとは別に食用油もサラダ油は酸化しやすいのでやめたほうが良いと言われたのでオリーブオイルに替えました。

ショウちゃんはパンも牛乳も大好きだったので、正直なところ、私はかなり抵抗がありました。

 

保育園にはGFCF対応をお願いしに行くときは、主人も一緒に行きました。

1歳から預けており、これまで普通食でOKだったのに、2歳の途中から急にGFCF対応をお願いするので、保育園も難色を示していました。

 

園長先生は

「ショウちゃんはパンもおやつの蒸しパンも大好きなんですよ。ショウちゃんがお友達が食べているのを見てうらやましくならないか心配です。」

と言われていて、私は内心「そうだよね」と思っていました真顔
主人はもともと自分がグルテンを摂った後に体の調子が悪くなったりしていたため、グルテンフリーにはかなり前向きでした。

腸内環境を良くするためにと説得し、何度か面談をして、なんとか対応していただけることになりました。

 

保育園では牛乳を豆乳に置き換え、カレールーに小麦が入っているのでカレーはケチャップ煮に置き換え、パンはおにぎりに、麺類のときは白飯に置き換えてくださいました。唐揚げは衣に小麦を使用しているのでソテーにしていただきました。

保育園に栄養士さんがいて、前月に献立表をチェックして直接、対応してくださっていました。

栄養士さんには大変お手数をお掛けして、申し訳なかったのと、対応していただけてすごくありがたいという感謝の気持ちでいっぱいです花

 

実家に遊びに行く機会があるのですが、祖母も初めは「なんでそこまでしないといけないの?」という反応でしたが、高額な費用を出して治療していること、期間限定(小学校にあがるまで)でする、ということで渋々、納得して協力してくれることになりました。

おやつは基本的にはおせんべい。チョコレートも乳が入っているのでNG。

実家の朝食は基本的にパン食なのですが、ショウちゃんだけご飯にしてくれました。

ときには米粉パンを買って準備してくれていました。

 

我が家でも当然にGFCFをしていました。

牛乳はやめて豆乳かアーモンドミルク、ヨーグルトは豆乳ヨーグルト。

小麦粉は片栗粉に置き換えて料理しました。

 

たまにはケーキらしいものを食べさせてあげたいので米粉、大豆粉を使用したものでお菓子を作りました。小麦で作ったものと特に変わりなく、おいしく食べられました。

 

 

 

こちらは少し甘いかな?と思いましたが、ビーフシチューのように調理して食べました。

 

 

たまにはカレーも食べさせてあげたいので中辛は主人、甘口はショウちゃんに食べさせていました。

 

誕生日はシャト〇ーゼの乳と卵と小麦を使用していないデコレーションケーキを買いました。

ショウちゃんはあまり食べませんでしたが、バースデーケーキの写真が欲しかったので笑

 

ショウちゃんに悪いのでグルテンフリーをしない私は見えないところでこっそりとパンや小麦を使用したお菓子を食べていました。

 

発達外来でかかりつけのベテラン医師はGFCFをすると聞いて

「親御さんが希望するならやってみてもいいけど、やって効果があったという話は聞かないなあ」という反応でした。

 

実際にやってみて便秘が改善されたか?というと・・・分からないです。

ショウちゃんには目に見えて分かる効果はなかったのかもしれません。

 

とにかく2歳の後半から保育園を卒園するまでは続けていました。

保育園では幸い、他の子がパンでショウちゃんがご飯でも特に食べるようなことはなかったようです。

おやつがケーキのときもショウちゃんは出されたおにぎりをおとなしく食べてくれていたそうです。

牛乳が豆乳に代わっても、特に飲まないことはなく、飲んでくれていたようです。

家でも特に食生活に困ることはなく、慣れてしまえば気にならなくなりました。