ご機嫌よう


今回はフランス皇帝ナポレオン1世の時代から着用されてきたカメオのパリュールをご紹介したいと思います


パリュールとは宝飾品一式を指します


現在はスウェーデン王室所有の財産の1つで、主にシルヴィア王妃が着用されています(纏めるのに精一杯なので敬称は省略しますので、ご了承下さい)

現スウェーデン王カール16世グスタフ妃シルヴィア(旧姓ソマラート・TATLERネット記事参照)



カメオとは瑪瑙・貝殻などに浮彫り(凸彫)を施した工芸品・装飾品を指します、凹彫の場合はインタリオと呼ばれるそうです…いずれも職人の手彫りによる一点物で素材の層を活かした色の対比が魅力



ドイツ産の石素材がストーンカメオと呼ばれ丸洗い可能で耐久性に優れているのに対して、イタリア産貝素材はシェルカメオと呼ばれ繊細な表現に適しているそうですがデリケートな素材ゆえに柔らかい布で優しく拭くなどし使用には細心の注意が必要だそうです(Google先生ありがとうございます)

金土台に、ギリシャ神話の神々が象られたカメオと大小無数の真珠が映える美しい宝飾品一揃えです



宝冠はストーンカメオっぽい見た目ですが、腕飾り・首飾り・耳飾りと胸飾りはシェルカメオのような色の対比が淡く優しい見た目をしています…ただし長く受け継がれている事から丈夫な瑪瑙製の可能性が高い気がします(有識者の方いらっしゃいましたらご教授願います)



最初の所有者はフランス皇帝ナポレオン1世皇后マリー・ジョゼフ・タシェ・ド・ラ・パジュリ(ジョゼフィーヌ)と言われています


フランス皇帝ナポレオンはイタリア🇮🇹を支配していた時期もあり、宝石大好きカメオ大好きな皇后ジョゼフィーヌはイタリアの職人にシェルカメオを発注したのかもしれません(憶測の域を出ませんが…)



波瀾万丈な皇后の生涯については割愛します

宝石好きな彼女は子孫に多数の宝飾品を残しました



皇后存命中は娘のオランダ王妃オルタンスに貸し出していたようですが、死後は息子ウジェーヌが相続しました

イタリア副王ウジェーヌ・ド・ボアルネ(ロイヒテンベルク公)&ホラント王ローデウェイク1世妃オルタンス・ド・ボーアルネス(継父ナポレオン1世の義妹・ナポレオン3世の母)兄妹



ウジェーヌの子どもはスウェーデン王室・ポルトガル王室・ブラジル帝室と婚姻し現在も子孫が存命(スウェーデン王室)ですが、オルタンスの直系子孫は曾孫の代で途絶えています



ロイヒテンベルク公ウジェーヌ・ド・ボアルネの長女ジョゼフィーヌが王太子時代のスウェーデン王オスカル1世と結婚した際、カメオのパリュールは嫁入道具の1つとしてスウェーデン王国に齎されました

スウェーデン王オスカル1世妃ユセフィナ・アヴ・レウクテンベリ(Wikipedia参照)



王妃の慈愛に満ちた人生については割愛します

王妃の嫁入や相続に伴い齎された他の宝飾品群については後日掲載予定です




嫁入道具として実家から齎されたパリュールは、一人娘だった王女エウシェニアが相続しました

スウェーデン王女エウシェニア(Wikipedia参照)


病弱ながら慈善事業に精力的に取り組まれた王女は生涯独身でした



唯一の相続人は兄王オスカル2世でしたが、既に長兄から王位を継承していたため、甥達に財産の3分の2を遺しました(3分の1は慈善団体へ寄付)




王女エウシェニアが59歳で薨去した後、カメオのパリュールは兄王の末子で画家・美術品収集家・美術家パトロンの王子エウシェンが相続しました

スウェーデン王子・ネルケ公エウシェン


芸術品美術品をこよなく愛し、ストックホルムはユールゴーデンにある邸宅ヴァルデマッシュウッデを死後に美術館として公開するなど、芸術の発展に貢献した王子も生涯独身でした





独身で宝飾品を身に付ける妻がいなかった彼は、高祖母から続く由緒あるパリュールを高位の女性王族に貸し出しました


女性王族筆頭たる王妃に貸し出すなどと言う畏れ多い事はできなかったため、王太子妃(甥の妻)に貸し出しました

スコーネ公グスタフ・アドルフ(スウェーデン王グスタフ6世アドルフ)妃マルガレータ・アヴ・コナウグフト(The Royal Watcher様参照)


イギリス女王ヴィクトリア1世の第3王子コノート公アーサーの長女で5人の王子女の母でしたが、頭部手術中に妊娠8ヶ月で薨去、夫王の即位前のため王妃ではありません



彼女にも自身に所縁ある宝飾品群(後日掲載予定)があるため、着用写真は殆ど有りませんでした



王子エウシェンの甥王太子スコーネ公は、マルガレータ妃薨去の3年後に前妃の又姪ルイーセ・モウントバッテンと再婚し即位までの20年間王太子の地位にいました…然し後妻ルイーセ妃の着用写真は見当たりませんでした




王子エウシェンが82歳で薨去した後、カメオのパリュールは甥王太子スコーネ公…ではなく姪孫ヴェステルボッテン公グスタフ・アドルフ王子(現国王父)が相続しました

ヴェステルボッテン公グスタフ・アドルフ王子妃シビラ・アヴ・サクセン=コーボリ=ゴータ(現国王母)



グスタフ・アドルフ王子は祖父王の在位中に飛行機事故にて薨去、孫に先立たれたショックで老王グスタフ5世が崩御、グスタフ6世アドルフ王の治世下で王妃ルイーセが崩御…



未亡人となったシビラ妃は癌で薨去するまでの数年間、女性王族筆頭として舅王を支える傍で未成年の王太孫(現国王)を育てました


晩年のシビラ妃が「白髪の白とティアラに使われる真珠の白が同化する事」を嫌気された為か、着用写真が殆どありません…代わりに成人していた娘達に貸出していたようです

一方、王妃シルヴィアは結婚式や公式サイトの御近影でも着用写真が残っています



時々王太子にも貸出しているようです


主に宮中晩餐会やノーベル賞授賞式など重要行事で登場しています

左が1970年代、右が2000年代…かな?

(getty imagesと25ansのweb記事参照)



その他の王族方

左上:嫁入前のチャリティイベントにてユセフィナ王妃のドレスを着用した故イングリッド王女(デンマーク王フレゼリク9世妃イングリズ・ア・スヴェーリエ・前女王マルグレーテ2世母)

右上:結婚式の故ビルギッタ王女

右中央:結婚式の故デジレ王女

左下&右下:ノーベル賞授賞式と結婚式時の現王太子