「光あるうち光の中を歩め」トルストイ
個人的評価 3.5 (5点満点) 裕福な家庭に生まれたユリウスが、勉学を共に励んだ親友パンフィリウスと再会する場面から物語は始まる。どうやら彼はキリスト教に入信したらしく(この時代、キリスト教徒は牢へ入れられる)、たくさんの人々と共同で所有物を分け合って生活をしているらしい。それを聞いたユリウスはびっくらポン。食べたり、飲んだり、騒いだりすることは決して喜びではない、神の意志の遂行、その酬いこそが真の喜びであるとのパンフィリウスの考えに、何不自由なく贅沢三昧な暮らしを送ってきたユリウスは真っ向から対立。しかしある出来事がきっかけで、キリスト教徒たちのもとへ向かおうとするが……。トルストイの晩年の思想「福音書に伝わるキリストの教えに従って生きよ」を示した作品。当時のキリスト教徒、トルストイの立場や考え方についての知識を全くもってなかったのですが、とても面白かったです。ユリウスとパンフィリウスの意見のぶつけ合いが主で、これがめちゃめちゃ面白いんですよ!!!それと、キリスト教に傾きかけたユリウスを説得しようとひょっこり現れる男がいるんですがほんと草。トルストイってキリスト教徒なの⁉ってくらいボコボコに詰っていて可笑しい(∩´∀`)「何故我々は自分でさえよくないと思う生活をするのでしょうか、神から与えられたいっさいの幸せを台無しにしてしまうのでしょうか。」とキリスト教徒として、キリスト教の教えと現実生活との矛盾みたいなことにも触れていて真面目に読んでも楽しかったです。ブログならもっと踏み込んで書けるかと思ったけど無理でした。(◎_◎;)