不思議な夢をみた




白いタオルを頭に巻いた翔ちゃんとふたり




カヌーに乗っている




オレの前にいる翔ちゃんは




肩まで袖を捲り上げ、懸命に漕いでいる




ボーッと 見ていたら




「智くんも、漕いでよ〜」




って、笑ってる。





だから 一緒に漕ぐことにした。




パドルのタイミングがぴったりで




スイスイと... 進んでく。





「...何処まで いけるかな。」





そう言う瞳には 





翔ちゃんらしい




ギラギラした光が見え隠れしてて





ゾクゾクするんだ。





「...何処まででも 行けるよ。オレらなら。」





「 だね。」




「...だろ。」




「ねぇ、一つ聞いてい?」




改まって言う翔ちゃんの声は 真剣で




「...ああ、なに?」




と、答えると





「...ずっと、、一緒だよな、、オレら。」





いつになく不安気な翔ちゃんの声。




ああ、きっと…
またあのことを思い出してるんだ。




前に...



辞めようと思ってた   ってやつ。





翔ちゃんが 気にしてたこと 知ってる。




そんな気持ちでいたのに
気付いてあげれなかったって...





優しさの塊みたいな 翔ちゃん





「だあいじょうぶ 。もう 一生離れねーからさ。」





そう言いながら…
なんだか目頭が熱くなり 背中から抱きしめた



...と、同時に パドルが手を離れ  


流された



「うわぁ〜 やっちまった〜」




翔ちゃんは 眉尻下げて笑いながら




「...オレがいるよ。大丈夫。智くんの分まで漕ぐからさ。」





頼りになるんだ 翔ちゃんは…




「いや、交代制にしよ。オレも漕ぐよ。」




そう言うと



やっぱり眉尻下がったまま
なんなら 肩まで下がったまま



嬉しそうに 笑った。



翔ちゃんの漕ぐ カヌーは
先の見えない未来へと 進んでく




そこに 迷いがあったときには




パドル 交換して




悩みながら…




一緒に行くんだ








いついつまでも




ふたりで 




可愛い 3人を 愛でながら…