最寄り駅は、予想通り大変な混雑だった。


思わず紅深の手を、俗にいう恋人繋ぎにした。
迷子にさせるつもりは毛頭ないが、念のためだ。



「……はぐれんなよ。」


「……うん。大丈夫だよ。」



恥ずかしそうに俯く紅深。
さっきから、顔が赤くなってばかりだ。


いや、赤くしてんのはオレだけど。
自覚はある。

けど、、心配で仕方ないんだから、
しょーがない。






本当なら……
あのまま起こさなくてもよかった。


けれど、一緒に花火大会にいくことを楽しみにしていた紅深ががっかりするだろうと思って、起こした。


あの上目遣いのオネダリを、渾身の力で振り切ったのも……キスしたら、また止まらなくなるって分かってたからだ。




だいたい、最近の紅深は綺麗過ぎる。



すぐに家を出る準備をしていたオレが、
一瞬で家から出たくなくなった位に。



あ〜
もう親父に言って、本院辞めさせてもらいたいわ。


目の届かないとこにいるのは、耐えらんないんだよな。



紅深のいうように、オレ、なんだってこんなに心配症になったんだ?



けれど、離れてた期間が……
オレをより素直にさせてる。



オレのこの自分本位なヤキモチを

紅深は可愛いと...

受け止めてくれることを知ってるから/////








甘えてるんだ...

紅深に。



安心して、全てさらけ出してる。