産経ニュース 北朝鮮は11日、北西部の東倉里(トンチャンリ)の発射場から7日に長距離弾道ミサイルを発射した際の映像を初公開した。これまでに公表された写真などと合わせて分析した専門家からは、北朝鮮のミサイル関連技術が進展し、日本への脅威も増大しているとの指摘が相次いだ。

 11日公開された映像を見た軍事ジャーナリストの恵谷(えや)治氏は「ミサイル本体は前回の2012年のときと基本的に変わらない」とした上で、「いちばん印象的だったのは発射台の改造だ」と指摘した。

 映像では、ミサイルを覆っていた発射台のカバーがいくつかのパーツに分かれて左右に開いていった。

 恵谷氏は「組み立ての過程も捕捉できた前回と比べ、今回は偵察衛星の目を完璧に避けることができるようになった。カバーを閉じれば中にミサイルがあるのかどうかも把握できず、発射時期や整備点検の状況も分からない」と話した。

 別の画像では、1段目とみられるミサイルの底部に4つの円形の噴射口が確認できた。

軍事アナリストの小都元(おづ・はじめ)氏は「欧米のミサイル専門家らは、1段目は中距離弾道ミサイル『ノドン』のエンジン4基を束ねたとみているが、今回それを確信した」と述べた。

また、「4基をシンクロナイズ(同期)させ、まったく同じようにコントロールするのは、技術的に非常に難しい。前回に続き2度も成功させているということは、ノドンの品質管理がかなり向上していることを裏付ける」と分析した。

 さらに小都氏は「ノドンの射程は1000~1300キロとされ、日本を狙うこと以外に目的はない。そのノドンの信頼性の高さが証明されたというのは、日本への脅威がそれだけ増したということで、大変恐ろしいと感じた」としている。

 また、「日本のメディアが報じているノドンのデータは20年ほど前のもので古い。本当はもっと出力が向上し、射程も延びているかもしれない。品質管理が行き届いた中で製造されているとみられるので、既に量産ラインも出来上がっているかもしれない」との見方を示した。