18歳にも分かる政局 混ぜるな危険!の安倍首相と橋下さん
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クリスマスのイベントも終わり、あと数日で2016年がやってきます。

政治の世界では、すでに来年の夏に行われる参議院選挙に向けた駆け引きが活発化しています。参院選からは、18、19歳に選挙権が与えられ、新しく約240万人が有権者になります。

そこで、若い人たちにも政治を身近に感じてもらうために、先週19日に東京都内で行われた、安倍首相と政界を引退したばかりの橋下徹・前大阪市長の会談について、解説してみましょう。


◎会談の主要なテーマは「憲法改正」

この会談には、安倍・橋下両氏のほか、菅義偉官房長官、「おおさか維新の会」代表の松井一郎・大阪府知事も同席しました。

会談では、「橋下氏が地方分権や統治機構改革を進めるため、憲法改正を目指す考えを伝えた」(21日付読売新聞)と報じられています。安倍首相には、橋下人気を今後の参院選の勝利、憲法改正の実現につなげたい、という思惑があります。

でもこの連携は、今後、憲法改正を悲願とする安倍政権の"爆弾"になりかねません。


◎地方分権の橋下氏と、9条改正の安倍首相

住民投票や大阪市長選を見ても分かるように、政界における橋下氏が実現させたいのは、「大阪都構想」の実現、つまり、道州制、地方分権の実現です。

かたや、安倍政権が目指しているのは、憲法9条の改正です。どちらも、憲法改正による実現を目指していますが、両者の思いを突き詰めると、必ずどこかでぶつかり合ってしまいます。

幕末で例えると、橋下氏の「地方分権」は、徳川幕府がつくった幕藩体制への昔返りであり、国防や富の力が分散し、国が弱くなっていきます。

一方、安倍政権の「9条改正」は、明治新政府の確立であり、国防や富の集中によって、外国の脅威から国民を守り、国の独立を守るものです(※もちろん、アベノミクスの新三本の矢や、消費増税などの政策には賛同できませんが……)。

そんな中、沖縄の米軍普天間飛行場の移設をめぐる問題で、沖縄県は25日、国を提訴しました。この問題でも分かるように、地方分権が強くなり過ぎると、外交や国防という分野で、地方が国を振り回し、国を混乱させます。

分かりやすく言えば、生徒が好き勝手に遊び始める「学級崩壊」です。

日本という国の学級崩壊を防ぐためにも、安倍首相は、橋下氏との距離感を冷静に見極める必要があります。(格)


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