人間めぇええええええええ

堕天使である吾輩が……
階段でこけた所を……
後輩に見られたァアアアアアアア


ヌオオオオオオオオオオ

「大丈夫ですか!?」
と必死に心配しやがってェエエエエエ
てめー可愛いんだよォォォォオオオオ

赦さねェエエエエ
人間共めぇえええええええええええ







悲劇だ。
堕天使として、無感情に生きていたはずなのに。
いつの間にか胸の中に燃え上がったこの感情を、胸に宿したこの秘密を、
人間ごときに悟られてしまった。

たかが人間、されど人間。

人間界の人間だからといって侮った我が輩が愚かだったのだ。
油断は禁物だと邪帝王様に何度も忠告されていたのに、我が輩はなんという過ちを……。

“紅蓮のアンタレス”の肩書きに恥じぬ堕天使になる為に、我が輩はまた修行を積まねばならぬ。
この人間界で。

……この人間界は醜いばかりと聞いていたが、案外そうでも無いのだな。
美しいものがあるからこそ醜いものがある。
切り離せない二つの存在。
醜さを映す世界。どこか別の場所では美しさを映しているのであろう。
……なんて。
我が輩は人間界を滅ぼしにきたのだ。
人間や人間界に、心を開いてはいけないのだ。
それが……邪帝王様の命令なのだから……。


吾輩は堕天使だ。
だが一般人の目には人間に見えるに違いない。
何故ならば、あえてそのようにしているからだ。
人間界を滅ぼす為に魔界からの刺客として人間界に降臨した。
人間界の偵察の任務をより正確に安全に遂行する為に、吾輩は人間の姿で過ごし、更に人間界の学校とやらにも通っておる。
吾輩は堕天使だと誰が気付くだろうか?いや、誰も気付かない。
ククク……有象無象の愚民共に吾輩の背中の漆黒の翼が見える筈が無かろう。

さて、明日は終業式とやらだ。
終焉を告げる愚民の言葉など聞きたくもない。
だが……吾輩が堕天使だと悟られてはならない。
疼き出す右手の衝動を押さえ込みながら、そして睡魔という名の吾輩の心に住まう大いなる魔獣をも押さえ込みながら、愚民共の宴に付き合ってやらねばならぬ。
下らぬ、どこまでも下らぬその余興に。
だがしかしこれも神から与えられた使命……。
全うしてやろうでは無いか。

ではこれにて失礼する。(バサッ
吾輩は堕天使である。

まだ天使であった頃の記事は消滅させた。吾輩はもう今までの吾輩では無い。
改めてこれからよろしく頼む。

†鮮血のアルビレオ†の肩書きに恥じぬよう、邪帝王様のお役に立てるように努めたい。
白鳥の持つあの純白の翼。それを鮮血に穢してしまった哀れな存在。
それはまさに吾輩のことだ。

この世界は綺麗な場所などでは無い事を、吾輩はもう知ってしまった。
だがそれでも、この穢れた空の、大地の、世界の浄化の為ならば、
この穢れた世界で息をする事も吾輩は厭わない。