今日、ふと気づいたこと。


テレビ番組で、

日本の職人さんの技を披露したり、

海外での展示会・ショーなどで日本製の手作り作品が高評価を受けたり、

そういった場面をここ数日続けて観た。


偶然だったのかもしれないけれど、

日本の手仕事が広く紹介されること自体

とても良い「テレビメディアの活用法」だろう。


そういえば、私の実家の常滑市は

急須作りが江戸時代あたりからさかんな地域。

朱泥が昔からなじみ深いが、

最近はいろいろな色の土の急須をさまざまな作家が制作している。


ただ、残念ながら

日本での市場は縮小傾向。


どうなるんだろう・・・と心配していたら、

今年の6月頃の新聞だったと記憶しているが

中国での展示会で人気を博した、というニュースを

中日新聞の夕刊の一面で知った。


日本の芸術性がある、高額な商品は

今や海外では価値を評価されることのほうが多くなっているのかも。

国内では、高品質なものに対しての

芸術的な評価が出来る人が少ないのだろうか、

残念な気がする一方、

海外での評価が高まることは素晴らしいと素直に喜んでいる。


日本だと、

20~30代の若い年代層の人たちに

芸術性のある作品をもっと観て欲しいですね。


先日このブログでも書いたとおり、

デパートの職人展なんて、若い人はまずほとんど見かけませんし。

年輩の方々ばかりで、何だか寂しい光景です。


若い女性の関心は、自分の事だけのような気が・・・

その象徴が「電車の中でも頑張る”お化粧”」でしょうね。

私は、正直全くお化粧には興味がなく、

そこにお金をかけるくらいなら

美術品でお値打ちな作品買って、自宅で楽しみたいと思いますけどね。


考え方が男性的、なのかもしれません。

ある美術商からも、そんなことを言われました。

論理的に作品を観ていて、理解して・・・

30代あたりから、そういう芸術鑑賞の仕方にシフトしていました。


意識したわけではないのですが、

作品鑑賞に凝るだけでなく、知識面での勉強が自然に増えた結果

頭でも芸術鑑賞するようになりました。


その頃から、ふつうの”一般受けしやすい”モネやルノワールといった

西洋絵画の油彩を美術館で観る趣味を卒業した気が。


「みんながいい」という、ありふれた作品ではなく

一部の芸術愛好家や専門家レベルの人間しかわからないような、

「わかる人にはわかる」作品に魅かれるようになりました。


そして、そういう作品は美術館に行かずとも

良品を扱う美術画廊・ギャラリーで見つかることもわかりました。


本を読んだり、作品鑑賞に出かけたりして

眼と頭と足で勉強し続けた結果、

いろいろな発見をしながら、芸術の本質を理解できるようになったのかも。


何事も、いろんな角度から学び続けることで

ホンモノを見分けることができる域に到達できる気がします。


美術作品の鑑賞と勉強を通して得た「学び・気づき」を、

今後は自分の塾を展開してゆく際に応用して

考えを発展させていこうと、今思っているところです。


社長業に携わる人の中には

美術愛好家・収集家が少なくないのですが

(「何でも鑑定団」で職業をみていると、自営業の人が結構います)、

究極的には「本物に癒されたい」という意味で

共通点があるように感じます。


私は、ファッションにも興味がありますが

自分が買う服を選ぶ際に、一番こだわるのは

「着てみて、身につけてみて、心底ホっとできるか?」ということ。

自分に似合わないものは、落ち着きません。

いくら金額が高くて、素材の良い高級品であっても

自分に合わない、粗悪な商品であっても、

「着て落ち着かない」ものには、違和感があったりするものです。


自分に合うものこそ、「癒される本物」だと・・・

そして、それを見つけることこそ、究極の愉しみだと。


ファッションは、そんな価値観を教えてくれたりします。


私の塾は、そうした観点から

「ここに来ると癒される」「ほっとして勉強できる」と思ってもらえるよう

空間づくり・カリキュラム・コースメニューを用意しています。


今日、塾の中でしばらく整理整頓をして時間を過ごしていたら

掃除をして慌ただしく体は動かしてはいるものの、

心は穏やかに気持ちよく、至福のひとときを過ごしていました。


「職人技」の話に戻ると、

私が好きな「職人技の光る作品」というのは

研ぎ澄まされた、洗練の美が感じられることは勿論重視するのですが、

一方で

どこかホッとできる余裕がある、という点も大切にしています。


癒される、「ほっこり感」というのでしょうか・・・


これから寒くなる季節、ますます「あたたかみのある作品」に魅かれそうです。


本物の定義というのは、人それぞれ、なのでしょうけれど

私にとっては、「なごみ」「ほっこり」が、少しでも感じられる・・・


癒しがあるかどうか、ということになりそうです ニコニコ