4月中旬あたりからでしょうか。


原因不明なのですが、

突如として携帯が低速状態に陥ってしまいまして。



携帯中毒者とまでは言わないものの、

さすがに通勤途中の電車の中で暇を持て余しておりましたので、


久々に小説でも読もうかなと思ったわけです。




実は紗季てぃ、趣味は読書。

とはいえ年数が経つにつれて漫画のほうが読んでいる時間が長くなり、


年に2冊小説を読めばいい方でした。


そんなんで趣味は読書ですなんて言っていいものかとも思いましたが、

いつだったか、SNSで有名なオカマの方が

「好きな食べ物は毎日食べなきゃ好きな食べ物と言えないなんて言わないように、毎日本を読もうが、年に数冊読んでようが、同じ本を何度も読んでいようが、どれでも読書が好きと言っていい。」


的なん言ってたので、私はこれを信じて趣味は読書と言い切ることとします。







話を戻しまして、

外で携帯が使えないのはそれはまぁ不便ではありましたが、
これもいい機会だと思い、しばらく貯めていた積読本やまた読み直したいと思っていた本を読んだので

ちょいとだけ感想ログを。



ネタバレもするよ!!









『十角館の殺人』 綾辻行人(あやつじ ゆきと)





これはずっと気になっていたミステリー作品。

日本のミステリーといえばこれが出てくる程、綾辻行人の代表作といえるものです。


しばらく前から気になってはいたもののずっと買う機会をなんとなく逃しておりました。

店頭で売ってる本といえばですが、
本には大抵帯紙が付いており、
そこにその本を印象付ける文言が書かれていることが多いのですが、

この『十角館の殺人』の帯紙にはよく、

「あの1文に衝撃を受ける」(的な)
「実写化不可能、衝撃作品」(的な)

的なことがよく書かれておりました。(多分)



でもこの作品、

最近実写化されたんです。





実写化不可能のはずでは???



さすがに気になりすぎて、実写化見る前に原作見ておかねばとなりすぐに購入しました。






そして読んでみて。











マジで実写化不可能ということがわかりました。






いやもう面白すぎて。

電車の通勤時間に読むはずだったのに、
続きが気になりすぎて結局夜更かしして1日で読み切ってしまいました。


ある孤島にある十角形の館にやってきたミステリーサークルの面々。

そんな閉鎖された空間で1人ずつ惨殺されていく恐怖。犯人はこの中にいるかもしれないのに特定も逃げも出来ない緊張感。

館と本州にいる別の登場人物の2視点からなる物語は息付く暇もなく、
噂の衝撃の1文までノンストップで読み進めてしまいます。

ほんとにびっくりしてその1文しばらくぼんやりと眺めてしまいました。







いやもうほんと…。









マジでどうやって実写化したの?????





めっちゃ見たいのにまさかのHullでしか見れねぇ!!!!!!!

実写化のネタバレ調べても出てこねぇ!!!!!




マジで面白かったからこそめちゃめちゃ気になる!!!!!!!!
見た人教えてくれ!!!!!!!!!













『暗いところで待ち合わせ』  乙一(おつ いち)





当時よく読んでいたSNSの漫画家さんがオススメしていた1冊。


気になったのですぐ買ったのですが、


なんとなく積読状態になっていたので今回を機にようやく読めました。




ミステリーなのですが、とっても温かくて、

でも悲しく切ないお話。



殺人事件の犯人として警察に追われる男は、

視覚障害を持つ女性の家に忍び込みます。


女性に気づかれないよう必死で息を潜める男性、人の気配を感じながらも何も気づいていないふりをして生活をする女性。


一見交わるはずのない2人が、

とても静かに、ゆっくりと距離を縮めていく姿がとても温かくて。


2人がゆっくりと食卓を囲みシチューを食べるシーンは、

思わず涙が零れてしまいました。



でもミステリー作品としてもしっかり成り立っていて、そもそも何故男性が視覚障害者の女性の家に行ったのかなど、あのシーン実は伏線だったのかなど、


テンポよく判明していくため、

読めば読むほど惹き込まれていきます。



ほんのりと希望が差し込まれたラストは、

心に残る温かい読後感となっています。








ちなみに、この作者。








私が大好きなウルトラマンジードの脚本も担当してます!!!!!!!!!!!!




すごいね!!!!!!!!!!!!


これも面白いよ見てね!!!!!!!!


















『旅のラゴス』     筒井康隆(つつい やすたか)





SFの巨匠、筒井康隆がえがく人生という名の旅。



高度な文明が失った代償として、人々が超能力を会得しだした世界をひたすら旅をするラゴスの約40年にもわたる人生を書いた作品です。




私は人生を通して本を読み、


自分の葬式で棺桶に入れてもらう本を選ぶという最終目的があります。



その候補にこの1冊があります。



なんでこれが候補なのかというと。







なんか、説明しづらいな。


とりあえずめっちゃ心に残るんですよこれ。





あまり小説は何度も読み返さない派なのですが、

これは何度も読み返しています。



こういう時に読みたいとか、じゃなくて


なんか自然とまた読むかぁってなる。




ラゴスは旅の目的であった先祖の文明を15年間読破しまくるのですが、旅の途中でそれをまとめた紙束を捨てられてしまいます。



ですが、ラゴスはショックは受けてもその15年が失われた訳じゃない、

こう考えられることこそが15年間の価値だったと考えます。



人生で何かにどれだけ時間を費やしても、

わかりやすく良い結果が出ることなんて滅多とないものです。



でも結果を出すだけじゃないんだなぁ。


費やして、経験した時間すべてに価値があって人生なんだなぁなんて。




そう思えたらそれなりに良い人生をおくれているのかもしれない。



ラゴスの旅を見ていたらそう思うのです。

















携帯速度戻っても本読もかな。





おしまい。