中国、ロシアにとって数少ない味方であるベネズエラ、イラン、北朝鮮の独裁国家、これを標的にしたアメリカの本気の軍事攻勢が続いている。単なる手下国家の瓦解に留まらず、中国にとっては長期戦略である一帯一路によるドル支配からの脱却を進めていた、そのことへの打撃が大きくなる。
ホルムズ海峡の封鎖はアメリカやEUにとってはまったくダメージにはならず、ひたすらアジア諸国にとって致命的である。加えて紅海の玄関であるバブエルマンデブ海峡がイランの手下であるフーシ派から攻撃を受ければ、アジア各国の経済には計り知れない痛手となる。日本は何やら内向きな軍事力派遣の是非論で身動きできないでいる。では物流のの生命線を他国の血によって確保できたとして、終戦を待ってのこのこ海峡に現れる日本船を世界はどう思うだろうか?
誰が始めた戦争かなどの議論は今やどうでも良い。不安定な中東、その原因を遡れば怖ろしく長い歴史物語になる。何時のどれからなどは虚しい議論になるばかりである。いま今の状況に傍観者で居られるのか、日本とってこそ最重要の利害地域ではないのか?戦前、日本はマラッカ海峡を絶対国防圏として英米との開戦を決意した。油断が国家の存亡に直結するからであり、そのこと自体は合理的な判断である。ABCD包囲網によって開戦以外の選択肢は無くなっていたのであり、反省すべきは開戦そのものではなくそれ以前の孤立主義的な外交政策にある。
同盟無き孤立は戦争を意味する。強固な民主主義陣営の結束を主張し、共にリスクを共有して分担すべき時だ。つまり護衛艦の姿をインド洋に見せなければ、世界から見える日本の立ち位置はどうみても無責任な現実逃避の姿でしかない。自身の存立の課題、その現実に対して軍事的に無反応でいることのリスクが日増しに増大している。
川口