この青く輝くマーブルの球体は「
CFBDSIR2149」。地球から100光年の近場で
モントリオール大学が発見しました。
浮遊惑星と確認されたのは、おそらくこれが初めて。
海王星ばりの美しさですが、
大きさは太陽系最大である木星のなんと4~7倍。
こんな巨大なものが母星の引力を離れて茫洋と漂っているなんて、宇宙はなんと
広いんだ...! 地球に衝突はしないけど、メランコリアに少し似てなくもないですね。
同大とケベック宇宙物理学研究所がフランスの天文学者の協力を得ながら
発見した惑星です。中心となった科学者は仏グルノーブル惑星・天体物理学研究所
フィリップ・ドローム(Philippe Delorme)氏。
ホームレスの星(=浮遊惑星)は母星の引力を離れて漂う星のこと。
浮遊惑星の候補は前にも見つかっているんですが、他は恒星になり損ねた星
(failed star、褐色矮星)であるのに対し、この「CFBDSIR2149」はれっきとした惑星。
しかも我々の住む太陽系と似た恒星系からはぐれて漂ってるのが確認されたのは
これが初めてなのです。
チームはまずカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡 (CFHT)で赤外写真を撮り、
欧州南天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTで惑星の温度・大きさ・年齢を特定。
その結果、
年齢は5000万~1億2000万歳、温度は400℃、大きさは木星の
4~7倍とわかったのです。木星の13倍を超えると惑星じゃなく褐色矮星と
見なされてしまうので、セーフですね。
欧州南天文台(ESO)はこう発表しています。
通常の動き(毎年空を移動する傾きの変化)を統計的に解析した結果では、
「かじき座AB運動星団(AB Doradus Moving Group)」と
縁がある確率は87%、
小さな「成り損ないの」恒星ではなく、
惑星と呼んでいい若い星である確率は95%超。
幸い「CFBDSIR2149」は周辺に眩しい星もないため大気の状態もかなり詳しく
調べることができました。結果的にこれでカテゴリの線引きができたんですね。
かじき座AB運動星団は、移動速度も年齢も組成も同じ30の星から成る星団です。
チームではこの星団の太陽系のひとつからはぐれて宇宙を漂う惑星なんじゃ...と
考えていますよ。
「こういう天体は重要。星が形成される過程で非常に軽い天体が生まれ得る仕組み、
惑星系から惑星が飛び出す仕組みを解明する手がかりになるからね。
仮にこの小さな天体が母星系からはぐれたものであるとするなら、孤児となって
無の空間に漂う、その天涯孤独な世界に胸が突かれる」