菜々海(Nanami20

髙田 凜空(Riku22


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菜々海「もしもしー、凜空?」


凜空「なんだ、菜々海かよ。」


菜々海「あのさ、こっちがせっかく電話してあげてるのにその態度は何よ!」


凜空「うっせーなー、こっちだって色々あるんだってつーの。」


菜々海「それは分かってけど、あんたが暇だろうからって思ってわざわざ電話してあげてるのに


凜空「んで、なんの用?」


菜々海「はぁあっ、そうそう。今からそっちに行くけど欲しいものある?」


凜空「んーあっ、昨日発売のウルトラマガジンの最新刊買ってきてくんね?」


菜々海「あー、あれね。わかった。私が来るまでゆっくり休んでなよ。」


凜空「言われなくても分かってるから、じゃぁな。」


凜空 俺は電話を切った。幼なじみである何気ない菜々海との会話。一件弄れている俺らの会話だが、それが俺にとっては数少ない毎日の楽しみの1つだった。なぜなら


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菜々海「えっとあっ、あった。ウルトラマガジンの最新刊っと。」

凜空の所へ行く前にコンビニに寄った

「あっ、これも買っとこっと。」

凜空は甘いものが好きだけど、生クリームとかはあんまり身体に良くないからと思い、私はカットフルーツを手に取った。

いつか凜空とスイーツショップ巡りとかしてみたいな。でも

綺麗な空と綺麗な海

私達が住む街には大きな海と空が広がっている

「一番はまた凜空と一緒に観たいなこの綺麗な空と海を。私達が1番好きな空と海を。」

いつか私達の親から聞いたことがある。

私の「菜々海」という名前は私が生まれた日の海がとても綺麗だったことから付けられた名前。

彼の「凜空」という名前は凜空が生まれた日の空がとても綺麗だったことから付けられた名前。

だから私と凜空は昔からこの街の空と海が大好きだった。

ずっと2人で観てた空と海だから

でも、今凜空はこの空と海が観られない

あっ、私何ぼっとしてるんだろ凜空が待ってるから早く行かなきゃ。」

そんな事を考えながら私は凜空の元へ向かった。


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菜々海「お待たせ」


凜空「おっせーよ、あの電話からもう30分以上経つってーの。」


菜々海「さっきは忙しいのとか言ってたのによくそんなこと言えるわねとりあえず頼まれてたウルトラマガジンの最新刊と、あとカットフルーツ買ってきたわよ。こういうの好きでしょ?」


凜空「おぉ、さんきゅーな。」


菜々海「で、身体の方はどうなのよ?昨日診察だったんでしょ?」


凜空「うん、今のところ大丈夫だってよ。むしろ少しずつ良くなってるって先生も言ってたし退院できるのも夢じゃないかもな。」


菜々海「ほんと?でもあんまり無理しないでよね?」


凜空「だから心配しなくても分かってるってそれにしてもほんと菜々海は俺のこと心配するよな…1年前からずっと。いくら幼なじみだからってさら大学休学してまで俺の病室に毎日来るバカそーいねーぜ?」


菜々海「バカで悪かったわね。凜空のことどれだけ心配してると思ってんのよ


凜空「だから心配し過ぎだってーの。」


菜々海「じゃあ毎日来るの辞めよっか?毎日欲しいもの買ってきてあげてるのって誰だっけ?」


凜空「あー、もうごめんって。俺が悪かったって。」


菜々海「分かればいいのよ、分かれば。」


凜空「あっ、そろそろ面会時間終わりだなありがとうな、来てくれて。」


菜々海「あー、面会時間ほんと短いんだからじゃあ凜空また明日ね。」


凜空「あぁ、また明日な。」


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菜々海 私は凜空の病室を出た

「あれからもう1

それは突然の出来事だった。

いつものように凜空が私の家にお裾分けでおばさんの作った煮物を届けてくれた時。

私の目の前で凜空は意識を失くし倒れたのだった。

救急車で運ばれながら苦しむ凜空を私はただただ見守ることしか出来なかった。

幸い命は助かったものの凜空が先生から宣告された病名は「白血病」だった。

余命は持って1年と宣告された

私はその事を知った時は泣くことしか出来なかった。

悪化してない、むしろ良くなってるか。」

その言葉が嘘である事は知っている。

私の家から病院に行くまでは10分もかからない距離。

それからコンビニに寄ったとしても20分くらい。

そりゃ凜空が遅いって言うよね

私は凜空と会う前に先生と話したから。

凜空は余命以上に頑張って生きてるけれど、最後まで傍にいてあげて欲しいとのことだった。

それはもう凜空のタイムリミットが近いことを意味していた。

「なにが心配し過ぎよまぁそれも無理ないか」

凜空は私に病名と余命を伝えないで欲しいと親達や先生に伝えていた。

でも私の為にと凜空に内緒で教えてくれた。

だからこそ私は凜空の為に時間を使おうと決めた。

その事を凜空は知らない

だからいつも私の前で強がるのだろうけどね。

「最後に1度でいいから凜空とあの空と海が観たいな。そして


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凜空「菜々海、ごめんな

菜々海にはあんな嘘をついたが仕方の無いことだった。

菜々海には心配をかけたくなかったから。

俺は先生や親には菜々海に俺の病名と余命は言わないで欲しいとお願いした。

菜々海の悲しい顔は見たくなかったからだ。

いつも電話してくれて、面会来てくれてるのにあんな強がってさ。」

病院で入院してからは抗がん剤の副作用で気持ち悪くなるし、俺の好きな甘いものは食べられないし、何より外の景色を観ることが出来ない。

この街の空と海はとても綺麗だ。

だが、俺はもう1年その景色を観ていない

どんなに外出許可を出しても全く降りることはなかったのだ。

菜々海ともっと色んな場所に行きたかったな。」

俺はもう余命以上に生きているが残り少ない命であることを昨日の診察で聞かされた。

1日でもこの菜々海との楽しい時間を過ごしたいし、何より菜々海に悲しい思いはさせたくなかった。

だから俺は諦めたくなかった。

でももう限界なのかもな

「せめて最後に1度でいいから菜々海とあの空と海が観たい

その途端、俺は急に意識を失いナースコールが鳴った


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菜々海「凜空。」

私が駆けつけた時には救急治療室に凜空はいた。

目を瞑ってはいるが、凜空の心臓は幸い動いていた。

今は眠っているとのことだった。

しかし、それは更に辛い宣告の前兆に過ぎなかった

私は勇気を出して泣きながら先生にお願いした。

「先生…1つだけお願いがあります。凜空が目を覚ましたら、凜空を外に出してもいいですか。この街の綺麗な空と海を2人でもう一度だけ観たいんです。もう一度だけ。」

今まで凜空に一切出なかった外出許可がここで降りたのであった。

外に出るということは唯一の命綱である点滴を外すことつまりそれは凜空の最期だということは私も分かっていた。

けど、今言わないと絶対後悔する

そう思ったのだった。

そうして凜空は通常の病室へと戻った。

翌朝、凜空は目を覚ました。


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菜々海「凜空、おはよー」


凜空「おはよー、今日は朝から来てるなんて珍しいよな」


菜々海「まぁねー、早起きしたから来ちゃった。それより聞いてよ、凜空に外出許可降りたんだよ!」


凜空「は?今まで1度も降りなかったのに?」


菜々海「うん、きっと体調よくなってきたからだよ。」


凜空「先生、ほんとにいいのかよ

俺は気づいていた。

これが先生から俺に与えられた最期の時間なんだと

「で、どこに行くんだ?」


菜々海「それは凜空の行きたいところ。多分私も同じだから」


凜空「決まってなかったのかよまぁ多分一緒だから一緒に言ってみるか?せーの」


凜空・菜々海「浜辺!!」


凜空「ほらな、やっぱ俺ら昔から好きだよな」


菜々海「だよね、私思ってたの。凜空が外に出られた時はまずこの街の空と海を一緒に見ようってね。」


凜空「最初から決まってたんじゃねーかよまぁいい、そうと決まれば行こーぜ。」


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菜々海 そして浜辺についた

私達の家の目の前にある浜辺なので歩いて10分もかからない


凜空「やっぱり綺麗だよな、この海。」


菜々海「うん、空もすっごく綺麗。」


凜空「俺ら名前に空と海がつくのに相手の方の景色の方が好きっていうのもほんと昔から変わってないよな。」


菜々海「そうだよね


凜空「どうしたんだよ、急に泣き出して」


菜々海「嬉しかったの。またこうして凜空とこの街の空と海を観ることができて。」


凜空「これが一緒に観れる最期だって言ってもか?」


菜々海「そんなこと分かってる私が昨日先生にお願いしたから。」


凜空「え?」


菜々海「私前から知ってた、凜空の病気のことも余命のことも。親達に教えて貰っちゃったの。でも、それで落ち込むのは違うからずっと凜空の前ではいつも通り笑顔でいようって思ったの。昨日凜空が倒れた時、緊急治療室に入った時私は急いで病院に戻ってきた。もう余命以上生きてたからついにお迎えが来ちゃったかなって思った。でも凜空はきっとまだ頑張ってくれたんだよね、私の為に。」


凜空「菜々海。」


菜々海「だから、昨日先生にお願いしたの。外出許可を。もう一度だけ2人でここに来たいって。この綺麗な空と海をもう一度見せたい、2人で観たいって。」


凜空「菜々海、ごめんな。俺が思ってる以上に俺のこと思ってくれてたんだな。」


菜々海「当たり前じゃん!!じゃなきゃ大学休学してまで毎日凜空の面会来ないし、こんなにワガママきいてないから。それにいつの間にかこの2人で居れる時間が好きになって気づけば凜空の事が好きになってた。それは幼なじみとしてじゃなくて、1人の男の子として。」


凜空「俺もだよ、菜々海。今まで黙って強がっててごめんな。大好きだ。」


菜々海「私もだよ。ずっと大好きだよ。」

2人が抱き合ったその時凜空は眠りについた。

そして心配が停止し、凜空は天国へと旅立っていった

「私の為にほんと頑張ってくれてありがとう。私、凜空の分まで幸せでいるから、凜空も幸せでいてね」

最期に2人で観た空と海は今までに観た中で1番綺麗な空と空だった


Fin