友人の結婚式に招待された時の話。







その友人は、昔から頭が良く、少し大人しめで、周りをホッと和ませるような存在だった。

私はお調子者で悪ふざけばかりで、下ネタやら炸裂する彼女とはまるで正反対。



でも、その真逆の存在がとてもバランスが取れていて、一緒にいるうちに彼女は仮装をしてピンクレディーを踊るまでになっていた。



もちろん、ほかの変な仲間の影響もあっただろう。




そんな彼女とは中学を卒業してからは進路が分かれ、地元の同窓会で会う程度だったのに、

一世一代の結婚式というイベントに呼んでもらえるとは予想外で、招待状が届いたときは嬉しすぎて、穴が開くほど招待状を凝視し、おニューのドレスを買いにいったほどだった。



そんな彼女の結婚式はとても綺麗で、とても祝福されていて、余計な煩悩なんて少しも出てこないほどだった。










他の友人の結婚式に数回参列している中でも一番驚いたのは、チャペルでのことだった。




「神聖なお式の為、写真撮影はお控えください」



このアナウンスが流れると、逆にカメラを取り出す人のほうが多いだろう。

新婦入場の時なんか、フラッシュの嵐で神聖さもへったくれもない。

誓いのキスなんかもうそれ以上だ。




そんな結婚式ばかりを見てきたので、私自身も鈍感になってしまっていた。










でも、この友人の式では、参列者全員がこれを守ったのだ。


新婦入場から退場まで誰もカメラを出さず、暖かい拍手で新婦と父親を迎え、また、暖かい拍手で二人を送った。













これが本当の結婚式だと思った。


これが本当に祝福することだと思った。


みんなが彼らの顔を見て、「おめでとう」 「きれいだよ」と声をかけ、みんなが笑顔だった。













カメラを持っていたら、拍手ができないではないか。

カメラを持っていたら、ちゃんと撮れているかが気になって、きちんと二人を見てあげられないではないか。

カメラのフラッシュで、せっかくの花嫁のキレイな顔を歪めてしまうではないか。

二人をみるよりもカメラの出し入れに夢中ではないか






プロのカメラマンが煌めいてる二人を一番きれいに撮ってくれるんだから、それを後日焼き増ししてもらえばいいじゃないか。













それと同時に、このなんでもないアナウンスを守れる友人を持っている友人夫婦が本当に眩しかった。



この友人の友人でいたことをとても誇りに思った。








余興の前に呑みすぎてそまって、フラフラで歌ったのは墓場まで持っていくことはここだけの話・・・