淋しさ埋める夜の街

すれ違ったグレーの瞳のあの猫は

ちゃんと首輪をしていたわ

軽く揺れるチープな赤が羨ましくて

そっと伸ばした首筋は

形を持たない首輪が重なる



次に帰るのは

どちらのご主人様でしたっけ?


我儘な猫みたいに

避して逃げるのは

逃げる私に振り向いて欲しいから

気ままな猫みたいに

交わして笑うのは

私幸せには正直なの

勘のいい猫みたいに

飼わして欲しいのに

必要なのは私じゃなくて

気ままな猫には帰る場所がある

其れがとても羨ましくて

我儘な猫には帰る場所がある

其れがどこにあるのかわからなくて

勘のいい猫には帰る場所がある

首輪のない私は一人で迷子


あの猫の振りの私には

淋しさの数だけ不自由に自由な家がある

でも、欲しかった私だけの紅い首輪

ほら、今日も

首輪がないから帰れない。

でもね、首輪を付けてはくれないの。

飼い猫には興味がないみたい。