[ワシントン 21日 ロイター] ジョン・ケリー米上院議員(69)は、民主党候補として2004年の大統領選に出馬したが、共和党のジョージ・W・ブッシュ氏に僅差で敗れ「大統領になる」という夢を諦めた。しかしその後、外交政策における議会のリーダー、そしてオバマ大統領の忠実な支持者として新たな地位を確立した。
上院外交委員長のケリー氏に対し、オバマ大統領は21日、ヒラリー・クリントン国務長官の後任指名という「報酬」を与えた。同氏は今後、シリア内戦やイラン核問題のほか、対中国や対ロシアといった外交戦略の策定など、様々な政策課題に直面する。また、前任者のクリントン長官がオバマ政権で最も人気が高く目立った閣僚であることも、後任のケリー氏には重くのしかかってくるだろう。
次期国務長官のポストをめぐっては、有力候補と目されていたスーザン・ライス国連大使が指名を辞退した。ライス氏はリビア東部ベンガジの米総領事館襲撃事件での発言をめぐり共和党議員から反発を受け、上院での承認獲得が厳しいものとなると予想されていた。ケリー氏の承認プロセスについては、共和党議員らも問題なく進むとの見方を示している。
ケリー氏は過去数年、危機発生時にオバマ大統領の特使として活躍してきた。2009年にはアフガニスタンを訪問し、カルザイ大統領を決選投票の実施に合意させることに努めた。2011年にはパキスタンで米政府職員が殺害容疑で逮捕されたことを受け、緊張緩和のため同国に向かった。
しかし一方で、オバマ大統領は国家安全保障にかかわる決定をホワイトハウスに集中させた。アナリストからは、ケリー氏の指名は、ホワイトハウスでの決定権が2期目のオバマ政権でさらに強化される可能性を示しているとの声も聞かれる。
<ホワイトハウスとのつながり>
共和党議員らはライス国連大使について、政治家というよりもオバマ支持者だと批判してきた。ただケリー氏もオバマ大統領との関係は近い。
2008年の大統領選では、ケリー氏は早くからオバマ氏への支持を表明。1期目のオバマ政権での国務長官の有力候補と目されていたが、選ばれたのはオバマ大統領と民主党の指名獲得を争ったクリントン氏だった。
それでもケリー氏は上院におけるオバマ大統領の重要な支持者であり続け、対外支援の継続から対イラン制裁にわたるまで、オバマ政権の政策を擁護してきた。今年の大統領選では、共和党ロムニー候補との討論会に備えるオバマ大統領の練習相手を務めた。
ケリー氏は2009年にバイデン現副大統領の後任として上院外交委員長に就任したが、それ以前も長年にわたり外交問題に深く関わってきた。
外務局に勤務する父親を持ち、エール大学で学んだケリー氏は1960年代、他の裕福な子息らとは異なり、米海軍に入隊しベトナム戦争に従軍するという道を選んだ。しかし帰還後は反戦運動に参加し、与えられた勲章を捨てたというエピソードも有名だ。
ケリー氏は1972年の下院選に落選した後、ボストン・カレッジ・ロースクールに進んだ。その後は地方検事、マサチューセッツ州副知事などを経て、1984年に同州の上院議員に選出された。同氏の家系は一貫して「毛並み」が良く、祖先はマサチューセッツ湾岸植民地の初代総督ジョン・ウィンスロップまでたどることができる。
ケリー氏の妻テレーザさんは、ケチャップで有名な米食品大手ハインツ・グループの創業者一族で上院議員だった故ジョン・ハインツ氏と死別し、遺産を相続。このことから、ケリー氏は最も裕福な上院議員の1人でもある。
(原文執筆:Patricia Zengerle記者、翻訳:本田ももこ、編集:宮井伸明)
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