Midnight Blue -2ページ目
*このブログの小説は初めてな方は、こちらを一読して下さると幸いです

*エタってる小説とは別のお話です
 え?そんなのあったの?って人はこちら

*このままだと、放置しっぱなしになっちゃうと思うので年内にあと5つは更新する宣言をしておきます(フラグ

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いつも通り、家に帰ってすぐ自室に直行する。

PCの電源をつけてから荷物を下ろした。

インターネットを開き、動画サイトで「歌ってみた」動画を探す。

とりあえず、よさげな動画をクリックした。

伴奏が始まり、歌が始まる。

『♪海面~に一人~』

綺麗な歌声が響く。声は耳に心地良い低音で、とても落ち着く。

歌詞も曲も良いと思うが、趣味ではない。

他の動画を探す。

しかし、さっきまで無かったものが出てくる。何故か、とにかくグロい動画が大量に出てくるのである。ブラックジョークか何かかと思ってチラッと観てみたら、本当に人体解剖してたりしてて、気持ちが悪かった。しかも、そういう動画全部に投稿日時・投稿者・再生数・コメントが表示されていない。

「……趣味の悪い奴もいるんだな」

もしあったとしても、ああいうのは少ないだろうと新着動画を観た。

とりあえず、さっきのは観てなかったことにする。

すると、新着にしては再生数が高い動画に目を留まった。

「お、1時間前に投稿なのにもう1万再生とか……すげぇ」

ワクワクを出来るだけ長く感じていたくて、コメントを先に見た。


しかしそのコメントには―――

『こwれwwはwwwよくうpしたなwwwww』『うpして何が悪いの?』『マジきもいからwwww』『いつもこんなこと書いて、何がしたいの……』『氏ね』『じゃあお前ら全員殺ってから自殺します』『”全員ころって”だってwwww漢字も読めないの?wwwww』『殺せるなら殺してみれば?wwwww』

この動画の投稿者の他の動画も、同じような状態だった。

どうやら、暇な批判者の巣窟らしい。

投稿者のプロフィールを見てみた。プロフィール画像は自分の写真らしく、シュシュを付けたごく普通の女の子が笑っている。高1、16才。ニックネームは*sarina*。意外と年下だった。

とりあえず動画を再生する。

『♪思いつめったり下を向いったりして~も~』

音痴でも上手でもない。普通だった。

(何でこうなったんだか)

そう思いつつ「戻る」をクリックした、その時。



「あなたもそうなら」



咄嗟に後ろを振り向く。

――誰もいない。

(幻聴か……。何かの病気にでもかかったかな)

そう思ってPCの方を向いた――そこには頭が割れた、シュシュを付けた女の子がいた。



「殺してあげる」



女の子は目を見開いて笑った。


その涙が零れ落ちるまで、見る前に意識を失った。