2013年1月、20世紀を「映像の世紀」を通して観たことについて記します。

・・かつて録画しておいたビデオを整理しながら再生して観ているのですが、その中にNHKの『映像の世紀』というのがあります。これはその当時(18年前)の放送を毎回欠かさず観ていたもので、そのテーマ音楽とともに懐かしい思いがします。
20世紀は1901年から始まるのですが、その年の1月にイギリスのヴィクトリア女王が逝去しました。その当時イギリスに留学してい夏目漱石は日記に、｢20世紀の始まりは幸先が悪いものとなった｣というロンドン市民の言葉を記しています。実際、1914年に第一次世界大戦が勃発しました。その年の7月に始まった戦争は、12月のクリスマスまでには終わるという根拠のない見方があって、出征する兵士たちもそれを胸に戦場に赴いたのでした。
しかし、その思いは早晩打ち砕かれることになります。大戦はそれから4年に亘って続き、夥しい数の犠牲者を生んだのです。その後世界は1920年代の束の間の好景気を経て、1929年の<大恐慌>を迎えることとなります。

その後1930年代に入るとドイツではナチスが台頭し、イタリアとともにファシズムが世界の大きな不安定要因となって、第二次世界大戦へとつながって行くわけです。こうして20世紀は戦争による大量殺戮の世紀となったのでした。映像の世紀を見直しながら、21世紀初頭の今の時代を私なりに考える材料としたいと思います。

さて、1930年代のヨーロッパではドイツでヒトラー独裁による政権が権力を握りました。ヒトラーが政権を担うに当たっての方針について全国民に訴える演説の映像を観ると、国民の心を揺さぶるその話術に改めて感心させられます。それは一言でいえば国民が等しく持っているであろう愛国心と自尊心を鼓舞するものでした。
それは例えば｢わが国の未来を切り開くのはあなた方一人ひとりの力によってなのだ...｣というような言い方です。そして、その前段として第一次世界大戦によって、ドイツは国としての名誉も民族の誇りもｽﾞﾀｽﾞﾀにされてしまった、ということがあります。
要はこれからもこのような惨めなまま行くことはできないでしょ！だったら自らが行動を起こしなさい！とヒトラーは国民に訴えているのです。そして、そのバックグラウンドとしてアーリア民族が他のどの民族より優秀なのだ、ということを強く国民にプロパガンダしているわけです。

【動画】

福島県棚倉町の山本不動尊という所に行って来ました。その時の紅葉の様子です。紅葉も散りかけていましたが、ギリギリ大丈夫でした。

【写真】

これまでの１５年間を振り返る(303)〈20世紀と「映像の世紀」①〉