【再放送】FRIENDS2 第5話 | 夢から醒めた夢

夢から醒めた夢

ありそうで無いコントのような物語『シチュエーションネタ』を中心に更新しています!
是非読んで下さい♪

 

 

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~~~~会見の5日前~~~~

 

コンコン

 

柳「失礼します。」

 

米沢「おぉ、柳。」

 

柳「…。」

 

米沢「…何で呼ばれたかは分かってるやろ?お前の口から言うてみぃ。」

 

柳「この度は…事務所に多大なるご迷惑をお掛けし、大変申し訳ございませんでした。」

 

米沢「はぁ?何をしたから事務所に多大なる迷惑を掛けたか…っちゅう事や。言うてみぃ。」

 

柳「ボイスレコーダー…。」

 

米沢「…あっ…あぁ!?」

 

柳「今、2つの意味でドキッとしたな?」

 

米沢「…何がや?」

 

柳「1つは…今この会話を録音してるよな?」

 

米沢「…!?」

 

柳「…止めてもらおうか。」

 

米沢「…ふっ…、お前は頭が回るなぁ…柳…。事務所の社長として、所属タレントと後で「言った」「言わない」の話にならんように一応録っておこうと思ってなぁ。不満なら切るわ。…これでええやろ?」

 

柳「あぁ。」

 

米沢「んで?もう1つは何や?」

 

柳「ん?」

 

米沢「さっき「2つの意味のボイスレコーダー」って言うたやんか。もう1つの意味は何や?」

 

柳「…もう1つ仕掛けてるだろ?」

 

米沢「…は?」

 

柳「大抵の人間は録音されている事を察知した時にボイスレコーダーに気付き、録音を止めさせる事が出来るのはせいぜい1台。それはボイスレコーダーが2つあるなんて想像しないからだ。」

 

米沢「…何を言うとんねん?」

 

柳「俺がさっきこの会話の録音を止めるように言った時、お前はすぐに止めた。「所属タレントとの「言った」「言わない」の…」とかいう言い訳を掲げれば止めない方法もあったのに…だ。」

 

米沢「………何が言いたいねん?」

 

柳「この部屋には2台目のボイスレコーダーがあるんじゃないかって話だ。」

 

米沢「………ふふっ。何を言い出すかと思えば…、無いわ そんなん!」

 

柳「…それは失礼しました…。これが俺の言った「2つの意味のボイスレコーダー」だったんですが…。」

 

米沢「…そうか…。すまんなぁ、お前の期待する通りの段取りが出来てなくて。」

 

柳「いえ…、すみませんでした。」

 

米沢「んで?話を元に戻そうか。お前が呼ばれた理由を自分の口で言うてみぃ。」

 

柳「…ダークレイクという半グレ集団とケンカをしました。」

 

米沢「せやろ?アイドルが暴力はアカンって。何でそんな事したんや?」

 

柳「話す前に一つ…。それは誰からの情報ですか?」

 

米沢「誰からって、そら…お前…。」

 

柳「警察じゃないですよね?警察なら所属事務所の社長より先に直接俺の所に来るはずです。ですが、警察なんて1人も来ていません。………誰からその話を聞いたんですか?」

 

米沢「…お前に説明する理由なんか無いわ!」

 

柳「…。」

 

米沢「それよりお前、謹慎処分は免れへんぞ?分かっとんのか?」

 

柳「そうですね。なので、1日でも早く謝罪会見を開きたいんですけど。」

 

米沢「謝罪会見!?アカンアカン!後の事は俺が何とかしたるから!俺に任しとき!なっ?」

 

柳「…。」

 

米沢「今日はお前の口から本当の事が聞きたかっただけや。もう少し待っててくれ。」

 

柳「…はい…。」

 

~~~~MAGICの楽屋~~~~

 

松井「鈴菜~、今日の取材マジでダルくなかった~?」

 

星山「同じ事ばっかり聞いてくる無能なインタビュアーだもん。出世は無いね~。」

 

秋元「超疲れた~。あ~あ、イライラするなぁ~!」

 

コンコン

 

秋元「誰~?」

 

三上「失礼します。」

 

秋元「あ、図書委員(笑)。何しに来たの?」

 

三上「同じ局で仕事があったので、ご挨拶をと思いまして…。」

 

星山「真面目か(笑)!あんたさぁ~、何かホント顔ムカつくんだけど!」

 

三上「すみません…。」

 

松井「出た出た、「すみません」(笑)。」

 

秋元「つまんない女。帰っていいよ。」

 

ドンッ

 

三上「痛っ!」

 

秋元「あぁ~、ごめんねぇ~?軽く触っただけだったんだけど~。(笑)」

 

星山「鈴菜、力強過ぎ~!(笑)」

 

松井「ウケる~!(笑)」

 

三上「痛…っ………っ。」

 

秋元「早く出て行ってくれる?存在そのものがウザいんだけど。」

 

三上「…すみません…。」

 

星山「ホント三上さんってさぁ~、あいつみたいだよね~。名前…あれ?名前何だっけ?」

 

松井「全然思い出せない…。マジ誰だっけ?」

 

秋元「横宮 愛でしょ?」

 

三上「!?」

 

松井「そうそう!横宮 愛!あいつウザかったねぇ~!歌もダンスも下手なくせに「頑張ってます」アピールしてさぁ~!」

 

星山「夜遅くまで1人で残ってね~。どうせ1人になった瞬間にスマホでもいじってたんじゃない?(笑)」

 

三上「………。」

 

秋元「あなたは死んでもいいけど、迷惑はかけないでね?面倒くさいから。」

 

三上「!?………。」

 

~~~~会見の4日前~~~~

 

吉田「いや~、MAGICの新曲のPVの秋元 鈴菜さんマジ可愛いな~!ベルちゃ~ん!」

 

芳賀「お前、秋元さんマジで好きだな!え、普段 秋元さんの事「ベルちゃん」って呼んでんの?」

 

吉田「いや、「ベルちゃん」は略した呼び方で、本名は「ベルーナちゃん」。」

 

芳賀「「ベルーナちゃん」は本名じゃないだろ!本名は「秋元 鈴菜」だから!」

 

吉田「あ、そっか。」

 

芳賀「「大体「ベルーナ」ってどこから来た名前だよ!」

 

吉田「「ベルーナちゃん」な。」

 

芳賀「うるせぇな!どっちでもいいだろ!」

 

吉田「鈴が「ベル」で菜が「ナ」だよ。」

 

芳賀「「ナ」はそのままかい!」

 

今藤「…結衣、まだ秋元さんの事 怖い…?」

 

三上「うん…。それより、修斗くん大丈夫かな…。」

 

今藤「そういえば、柳って昨日社長の所に呼ばれてたよね?」

 

三上「心配…。クビになったりしないよね…?」

 

今藤「大丈夫だと思うけど…。」

 

ガチャッ

 

柳「おぉ、みんな揃ってたか。」

 

今藤「柳!大丈夫なの!?」

 

柳「あぁ、まだ決定ではないが、謹慎処分で済みそうだ。」

 

三上「良かった…!」

 

柳「しかも、俺の読み通りだったよ。やっぱりダークレイクには米沢が直々に依頼したんだろう。」

 

吉田「マジ!?何で分かったの!?」

 

柳「…。」

 

今藤「…何で分かったの?」

 

柳「あぁ、それはな…。」

 

吉田「え、何で無視したの今!?」

 

柳「暴行事件を起こしたのに、俺の所に警察は一切来ていない。俺がその件を話したのもお前ら4人にだけだ。なのに米沢は、事件の事を知っていた。」

 

吉田「それって、つまり…?」

 

柳「…。」

 

今藤「…それって、つまり…」

 

柳「あぁ、それはな…。」

 

吉田「また無視!?え…何、今日そういう日!?今日そういう日なの!?…え、待って!今日がそういう日だとして、これ どういう日!?」

 

芳賀「お前のツッコミうるせぇな!なんか濃いんだよ!」

 

吉田「え、私は誰!?ここはどこ!?」

 

芳賀「何で記憶を失ったんだよ!今の会話の中で 引き金はどこだったんだよ!」

 

柳「ダークレイクの武田は、警察には一切相談せず、米沢にのみ報告したんだろう。…だから、米沢が話の詳細を知っていた…。」

 

芳賀「依頼主…だからか?」

 

柳「あぁ。」

 

今藤「謝罪会見はいつやるの?社長から「やれ」って言われたんでしょ?」

 

柳「いや、それがな。米沢からはむしろ止められたよ。謝罪会見を開いたら間違いなく自分にも火の粉が降りかかるからな。」

 

今藤「あ、そっか。しかも、ダークレイクから自分に足がつくかもしれないもんね!」

 

柳「「ボイスレコーダー」ってワードにも敏感に反応していたしな。」

 

吉田「何から何まで黒幕か…。」

 

柳「まぁでも正直、謝罪会見を開くのが認められないのは予想していたよ。だから、ゲリラ的に会見を開こうと思う。」

 

今藤「ゲリラ的って…、でも柳も謹慎になったら動けなくなるんじゃ…。」

 

柳「そうだな。俺はしばらくマスコミに追われるだろう。だから、謝罪会見は三上にお願いしたい。」

 

三上「え!?ウチ!?」

 

吉田「え、結衣ちゃんが謝るの!?何で!?」

 

柳「三上はダークレイクに襲われた現場に唯一いた人間だ。極力嘘のない真実のみの会見にするためだ。」

 

三上「「嘘のない真実のみの会見」…。ウチ…、ずっと目隠しされていたからほとんど何も分からないけど…。」

 

柳「それでいい。辛い役回りを任せるようで悪いが、頼む…。」

 

三上「うん…、分かった。」

 

芳賀「でも、ゲリラ的にやるにも結衣1人じゃ厳しいだろ。俺達も全員で協力しないと…。」

 

柳「そこだよ芳賀。俺がお前を仲間に入れたかった理由。お前は状況把握能力に長けている。会見に出るんじゃなくて、お前が裏で会見を回してくれ。」

 

芳賀「うん…、え、「裏で」って何?」

 

柳「会見の当日、その建物のどこかの部屋を確保する。三上の回答に詰まりや矛盾が生じないように、芳賀が三上のイヤホンに回答の内容を冷静に伝えてやって欲しい。」

 

芳賀「あぁ…、なるほど…。それなら結衣の負担も軽くなるな…。いや、それはいいけど、柳は?」

 

柳「俺は家でゲームやってる。」

 

芳賀「おま…、ふざけんなよ!」

 

柳「先週発売になったゲーム クリア出来てなくてさ。」

 

芳賀「知らねぇよ!お前も裏方やれよ!」

 

柳「ほら、俺 謹慎中だしさ。」

 

芳賀「何でそこだけ真面目なんだよ!絶対に出て来い!」

 

柳「えぇ…?」

 

芳賀「「えぇ…?」じゃねぇよ!何で嫌そうなんだよ!お前が持ってきた案件だろうが!」

 

柳「分かったよ…。俺達全員が裏方に回って三上に指示を出す。いいか?」

 

三上「うん…。」

 

芳賀「あれ?結衣 足どうした?歩き方 変じゃない?」

 

三上「うん…、あの…。」

 

今藤「今日、ダンスレッスンじゃなかったよね?どこか痛めた?」

 

三上「ううん…。あの…言いにくいんだけど…。」

 

今藤「「言いにくい」…?よし、分かった!柳と吉田、出て行って!」

 

吉田「はぁ!?何で!?」

 

今藤「結衣は柳の事が好きで聞かれたくないから!吉田は変態だから!出て行って!」

 

吉田「俺は変態じゃないよ!変態”もどき”だよ!」

 

芳賀「「もどき」って何だよ!変態に「もどき」も何もあるか!…っていうか、男3人中 俺1人だけ出て行かなくてもいいってのも逆に傷付くぞ!?」

 

三上「ごめん!そういうのじゃなくて…。吉田くんがMAGICの話をしてたから…。それで話しにくくて…。」

 

今藤「それなら、吉田だけ出て行けばいい?」

 

吉田「それは本当に嫌だ!」

 

三上「吉田くん本人が聞いてもいいって思うなら…、聞いてもらって大丈夫…。」

 

吉田「聞きたい聞きたい!話してごらん?」

 

芳賀「野次馬根性丸出しじゃねぇか!真面目に聞けよ!?」

 

吉田「当たり前じゃん!」

 

今藤「結衣…、話して…?」

 

三上「うん…。MAGICの秋元さんに突き飛ばされて…、足を捻挫しちゃったみたいで…。…あ、まだ病院に行ってないから正確には分からないんだけど…。すごく痛くて…。」

 

今藤「結衣にこんな事して…ムカつく!MAGICの3人全員、腕をあり得ない方向に曲げてやる!」

 

芳賀「怖ぇな!やめろよ!まぁ確かに、友達をこんな目に遭わされて許せないけど!」

 

三上「ウチは大丈夫だから…。それよりも…。」

 

今藤「ん?どうした?」

 

三上「やっぱり…、MAGICの3人は愛をいじめていたみたい…。」

 

芳賀「…え、マジで!?本人達から聞いたの!?」

 

三上「うん…。ストレートな表現じゃなかったけど…、あれはどう考えても…。」

 

吉田「…まさか…、ベルーナちゃんが…!」

 

芳賀「「ベルーナちゃん」やめろよ!そんな可愛らしい名前が似合うトーク内容じゃねぇだろ!」

 

柳「んで?三上…、ダメ元で聞くけど、その会話の録音は?」

 

三上「したよ…。上手く録れてるか分からないけど…。」

 

芳賀「マジで!?やるじゃん、結衣!」

 

柳「その録音、後でいいから聴かせてくれ。」

 

三上「うん…。」

 

柳「これは、いよいよ三上が会見に最適だな。俺達全員で全面的にバックアップする。改めて…、頼む。」

 

三上「分かった…。ウチも愛を傷付けたこの事務所と秋元さん達を許せない…。不安だけど…、会見はウチ1人で出る…!」

 

芳賀「…結衣が怒ってるの珍しいな。」

 

今藤「結衣…、1人でいるようで1人じゃないから!ウチらの事は全面的に信頼して!」

 

三上「うん…。色々と言葉に詰まっちゃうかもしれないけど…。よろしくお願いします…。」

 

柳「三上…、当日にも改めて言うが、米沢の枕営業の話とMAGICのいじめの話は自分の口からは絶対に言うな。当日集まった記者達に”感じさせる”んだ。」

 

三上「…え…。」

 

今藤「それじゃ…、米沢社長もMAGICも糾弾出来ないんじゃ…。」

 

柳「過度な匂わせ発言もダメだ。いいな?」

 

三上「うん…。」

 

柳「大丈夫だ。当日はしっかりと回答内容は伝えるように細工する。「会見」という慣れない場に出る覚悟だけしておいてくれれば、それでいい。」

 

三上「分かった…。ウチが準備しておいた方がいい事はある…?」

 

柳「いや、足も痛むだろう。会見の当日に全て指示を出す。それまでは心も体もしっかり休ませておいてくれ。」

 

三上「うん…。ありがとう…。」

 

芳賀「柳…、ちょっといいか?」

 

柳「ん?」

 

芳賀「お前、最初は「週刊誌『POIZON』に暴露する」って言ってたろ?それがあいつらを糾弾する方法だったはずだ。そのやり方が、「会見を開く」って方法に変わった…って事でいいんだよな?」

 

柳「あぁ。米沢プロダクションは相当な隠蔽気質な事務所だった…。昨日、米沢と話してよく分かったよ。週刊誌にタレ込んだところで、揉み消されて終わるだろう。…だから…、会見を開いて日本中が注目している状況で、奴らの悪事を晒す必要があるんだよ。」

 

芳賀「うん…、それは分かるんだけど…。「自分の口から悪事の話をするな」っていうのはどういう事?それじゃあ、柳の暴行事件の謝罪だけで終わるんじゃないの?」

 

柳「そこについては…、三上だけに後で話しておく。それに…、当日 指示を出すから大丈夫だ。」

 

芳賀「あ、そう…。」

 

柳「三上はもう帰ってしっかり休んでくれ。吉田、今藤、…は…はひょ…パピヨン?」

 

芳賀「芳賀な!誰が小型犬なんだよ!」

 

柳「すまない、噛んだ。」

 

芳賀「噛んでパ行はあり得ないんだよ!噛んで「パピヨン」には100%ならねぇんだよ!」

 

柳「俺達は会見の会場を抑えたり、三上に伝達する機材を集める必要がある。協力してくれ。」

 

吉田「OK!頑張ろう!柳、今藤、…チワワ!」

 

芳賀「いや、お前はわざとだろ!もはや「芳賀」の面影 一切無いじゃねぇか!「パピヨン」に引っ張られ過ぎなんだよ!」

 

柳「会見は早い方がいい。準備も色々あるから…、目標は4日後だ。やれそうか?」

 

今藤「大丈夫!…だけど、緑川さんは呼ぶ?最近全く連絡つかないんだけど…。」

 

柳「あぁ…。状況を見てだな。まずは、会見の準備が最優先だ。緑川はその後考えればいいだろう。」

 

今藤「OK!じゃあ…、結衣とは会見当日までお別れか。。。」

 

三上「ウチも準備やるよ?1人だけ休みなんて…。」

 

柳「三上…、今回の会見、三上が想像している以上に難しいものになるはずだ…。三上にも大きな負担をかける事になる。4日間しっかり休んで、イメージトレーニングだけしておいてくれ。それだけでいい。」

 

三上「修斗くんがそう言うなら…。」

 

今藤「よし!4日後に会見を開いて、米沢社長とMAGICの悪事を暴こう!」

 

全員「おぅ!」

 

~~~~会見当日~~~~

 

~モニタリングルーム~

 

吉田「ふぅ…、こんなもんか…。」

 

今藤「ねぇ、吉田!机運ぶの手伝って!」

 

吉田「え、吉田って俺の事?」

 

今藤「他にいないでしょ!黙って手伝って!」

 

吉田「………よし、ここでいい?」

 

今藤「うん。これで大丈夫かな?…吉田さ…、今日でMAGICは完全に社会的に抹消されると思うけど…、心の準備は出来てるの?」

 

吉田「…うん…。結衣ちゃんと愛ちゃんをいじめて傷つけた奴らだ。さすがに許せないよ。」

 

今藤「そっか…。じゃ、頑張ろう。」

 

三上「お疲れ様~。」

 

今藤「おっ、結衣!…まだ足痛む?」

 

三上「うん…、でも歩けるから大丈夫。はぁ~…、緊張するなぁ…。」

 

柳「三上…、緊張する時は人という字を書いた紙を3枚丸飲みするんだ。」

 

芳賀「ヤギか!紙に書かなくていいんだよ!」

 

柳「違ったっけ?」

 

芳賀「お前、前も間違った事 教えてなかったっけ?手に人という字を3回書いて飲めばいいんだよ。」

 

柳「あ、そうだった。三上、手を丸飲みすればいいんだ。」

 

芳賀「違うって言ってんだよ!まず、「丸飲み」の発想から離れろ!」

 

三上「ふふっ。ありがと。何か緊張ほぐれた。笑」

 

芳賀「それならいいけど…。」

 

柳「…三上…、改めて米沢とMAGICの件は会見の最中は自分の口から絶対に言うな。匂わせのような発言もダメだ。記者達自身に気付かせる。…その目的は、昨日 三上と緑川と俺の3人で話した内容が全てだ。いいな?」

 

三上「うん…。」

 

今藤「…え、柳、緑川さんに会ったの!?どうやって連絡したの!?」

 

柳「え、知らんし。」

 

芳賀「出たよ、「え、知らんし。」!お前 完全に「え、知らんし。」売り出そうとしてるだろ!」

 

柳「え、知らんし。」

 

芳賀「もういい、分かったよ!やめろ それ!」

 

緑川「あ、お疲れ様~。ごめんね、しばらく連絡取れなくて!」

 

今藤「緑川さん!何かあったの!?」

 

緑川「うん…、ちょっとね…。ごめんね。」

 

柳「………。」

 

芳賀「柳、工具箱は準備したのか?」

 

柳「…ん?あぁ。別室に用意したよ。…それよりも緑川、この三上に指示を送るマイクはどうやって手に入れたんだ?」

 

緑川「事務所には内緒の会見だから借りる訳にいかなくて…、私が個人的に通っているボーカルレッスンスタジオから借りてきたよ!接続は確認済みだから、ちゃんと結衣に声は届くよ!」

 

柳「そうか。」

 

緑川「あと、頼まれていたテレビ中継もしっかり準備しておいたよ!」

 

芳賀「テレビ中継!?」

 

柳「あぁ、1番最初に言っただろ。「国民そのものを取り込む必要がある」って。俺達は今日までアイドルになってファンを増やし続けてきた。そのファン達と…俺達を知っている国民を味方につけて あいつらを潰すんだ。」

 

今藤「会見自体が失敗したら…?」

 

柳「失敗は…しない…。予測不能な裏切りさえ無ければな…。」

 

緑川「………。」

 

三上「…テレビ…。大丈夫かな…。」

 

柳「お前なら大丈…」

 

吉田「結衣ちゃん!俺達がついてるから!大丈夫だよ!」

 

三上「うん…。そうだね!ありがとう!」

 

吉田「おぉ…、結衣ちゃんに元気を与える言葉をかける事が出来た…!うっひょっひょ~い!」

 

芳賀「喜び方に品がねぇ!もうちょっと今の空気に合った喜び方をしろよ!」

 

吉田「おけけけけけ!お~けけけけけ!」

 

芳賀「どんな笑い方だよ!どういう感情だったらそういう笑い方になるんだよ!」

 

三上「(笑)。本当に…H.S.S.Y.Y最高だね。みんな優しくて温かい。」

 

芳賀「…会見5分前だな。俺達はここの部屋から結衣に指示を出すから。基本的にその内容を答えて。頑張れよ。」

 

三上「うん。ありがと。。。」

 

緑川「あ、結衣!インカムを耳に付けるの忘れないでね!そうじゃないと指示が聴こえないから!」

 

三上「はい!」

 

柳「それじゃ、三上…。昨日説明した通りに…頼む!」

 

三上「うん!じゃあ、また後でね!」

 

緑川「はい、芳賀くん。コーヒーここに置いておくね。」

 

芳賀「あ…、ありがとう。」

 

今藤「…結衣…、かなり負担大きいだろうなぁ…。」

 

柳「あいつなら大丈夫だ…。リアルタイムで出す指示の他にも、事前に指示は出してある。」

 

今藤「そう…。なら いいけど…。」

 

芳賀「んで?柳、お前の事だ。アジトとなるこっちサイドに多くの人間を配置した意味があるんだろ?作戦を教えてくれ。」

 

柳「さすがだな、芳賀。会見が始まってからの作戦だ。芳賀、吉田、今藤、緑川。よく聞いてくれ。……………………………………。分かったか?」

 

芳賀「なるほどな…。まず、その状況まで持っていけるかが相当厳しいと思うけど…、了解だよ。」

 

今藤「あ、もう始まるんじゃない?」

 

~会見 会場~

 

司会「それでは男女混合のパフォーマンスグループH.S.S.Y.Yの三上 結衣による記者会見を始めたいと思います。」

 

パシャッ パシャッ パシャッ

 

三上「…。三上…結衣です…。」