母は昔、琴を演奏していた。

 

いつから始めたのか

訊いたことは無いけれど

先生から芸大への進学を勧められるほどだったらしい。

 

結局、もう一つの夢であった保育士の道を選んだが

仕事と平行して、熱心に続けていたようだ。

 

当時お付き合いしていた人に結婚を申し込まれた時

この人を取るか、お琴を取るか

真剣に悩んだと聴いたことがある。

 

父とはお見合いの末の結婚だけれど

そのときはすんなりと「この人と結婚する」と決意したそうだ。

 

・・・やるな、父ちゃん。

 

 

父は、結婚後に母がお琴を続けることに対して

反対することは無かったようで

育児が一段落すると、兄も私も母のお稽古について行った。

 

一度は音楽の道を志した身。

兄か私に、お琴を弾いてもらいたいという思いがあった母。

 

だが

兄は「僕、この音好きじゃない」と言い

私は「今日、おやつが黒飴だったからもう行かない」と言った。

 

・・・ごめん。

 

 

私たちが小さい頃は、たまに家出も演奏していたけれど

仕事で責任ある立場になったこと。

こども二人にお金がかかること。

家という大きな買い物を4回したこと。

早期退職して大学に通い始めたこと。

 

こんなことが色々とあって

こどもが独立して、余裕ができたら弾こうと思っていたらしい。

 

けれど、長い間触れていないと指が鈍る。

年を重ねると、目も悪くなる。

 

なんとなく先延ばしにしているうちに70歳目前となり

とうとう、お琴2面とも処分することにしたそうだ。

 

 

のこぎりで小さくします。

ちょっと勇気がいります。覚悟も。

 

 

そんなメールが届いたから

だれか欲しい人にあげるか、売るかすればいいと言ったら

 

 

誰にも、あげたくないのです。

 

 

という返信が来た。

そういうものか。

 

 

私はあんまり執着心がないので

正直、よくわからないけど。

 

そこまで情熱を注いだものがあるのは

とても幸せなことなのかもしれない。

 

同時に、とても哀しい。

父ちゃん
おいら、散歩に行きたいかもよ。

早くして~





正確な腹時計を持つ茶々丸氏は
朝6時半になると散歩を要求。
なぜなら散歩➡ゴハンの方程式が
出来上がっているからなのです・・・


そのおてて、寝にくくないのかい?


あ、起きた。


呼んでも起きないくせに
「たべる?」と言うとパチッと目を開ける。

結局、よく食べるから
病気もしないんだと思う。

病気しないから
よく食べるとも言うけど・・・

焼きたて苺パイを
ちょっとだけあげました。

ちょっと焼きすぎちゃったよ。