引退後~逮捕まで その9 | ひとみの 忘れたい記憶と残したい記憶・・・

ひとみの 忘れたい記憶と残したい記憶・・・

 元AV女優仁○ひとみの
 AV女優の頃のお話から引退後、
 そして現在の幸せな日々のお話のブログ。
 ヤクザに拉致られ覚醒剤漬けにされ
 そしてAVの世界へ・・
 現在と過去、行ったり来たりで書いてます。

カツ丼も食べ終わり・・・・また、ワンボックスへ乗り込んだ。

そこからまた、延々と車は走った。

私は車の中でずっと寝ていた。

東京の私の家を出発したのは、お昼過ぎくらいの時間帯だった。

しかし、まだ到着していないのに、外は真っ暗だった。





どれくらい、寝ただろう・・・・・・・・・

刑事の一人にそろそろ着くぞ!と起こされた。

車の窓の外を見て、私はビックリした!!!!





まるで、どこの城下町????と思わせるような

そんな景色が広がっていた。

随分とすごい所に連れてこられちゃったなぁ・・・・・・・・

それが第一印象だった。





岐阜八幡署という所に着いたのは、夜の10時を回っていた。

そんな時間なのに、翌日には地検に書類を出さないといけないという理由から

取り調べが始まった・・・・・

さっきまで、優しくしゃべっていた刑事さん達が

急に目つきも険しくなり、怒鳴るように取り調べが始まった。





『お前の男のAが、薬を持ってきたんだろ???』

『もう一人一緒にいた●●ちゃんって呼ばれてる男は誰だ???』





私の頭の中は、一瞬にしてパニック状態になった・・・・・

色んな人間の名前が次から次と出てきて

私の友達、午●●●生はいったい、どれだけたくさんのことをしゃべったんだ・・・・

なんで、そんなに何もかもしゃべったんだろう・・・

しかも自分から警察に飛び込んだくせに・・・・

勘弁してくれよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





ただ、色んな名前は挙がっていても

今の所、逮捕されているのは、私までだ・・・・・

私でストップさせなくてはいけない・・・

一瞬にしてそう思った。





でも、当然逮捕されるのは初めてのことだし

どうやったら、自分でストップさせることが出来るのか・・・・・

さっぱりわからなかった。





とりあえず、通称で挙がっている名前に関しては

フルネームわかっていたとしても

私も通称でしか知りません!と答えた。

後は、何を聞かれても同じ事を言って繰り返した。





薬は、外国人から買った。場所は覚えてない。

たくさんやりすぎて覚えてない。

彼氏も一緒にいた人も一切関係ない。





その言葉だけを繰り返し繰り返し言った。

結局、夜中の2時近くまで取り調べが続き

今日はこの辺にしておこうと言われ、やっと取り調べが終わった。





留置場へ連れて行かれ、そこでもまた、驚いた!

普通の留置場は、格子?柵?が鉄になっていると思うのだが・・・

そこは、まるで時代劇とかに出てくるような

木の格子になっている留置場だった。

日頃、留置される人間など、ほんとにでないらしく

布団も何もなかったらしく・・・・・・・・・・・・・・・・・

私が来ることがわかっていたので

近所のおばあちゃん達が、一生懸命雑巾がけをし

自分の家の布団を、この留置場へ運んでくれたそうだ。





多分、きちんと干した布団を運んでくれたのだろう・・・

太陽のいい匂いがした・・・・

布団に入ってから、急に寂しさが込み上げてきた。

普通の留置場だったら、こんな風に寂しさが込み上げることもなかったろうに

なんだか、こんな逮捕者にまで親切にしてくれる

近所のおばあちゃん達のあたたかさに触れ

急に寂しさが込み上げてしまった。





朝になり、真っ白いエプロンをしたおばあちゃんが

留置場の格子の外にいた。

おばあちゃんが、とっても優しい顔でにっこり笑って立っていた。





『これね、刑事さんに頼まれて、朝ご飯作ってきたから』

『かわいそうにねぇ、こんな若いお嬢さんが、こんな所に泊められて』

『おみそ汁、冷めないうちに食べなさいね^^』





びっくりだった。

普通は、みんな同じ朝ご飯を、アルミの食器で食べさせられるのに・・・

近所のおばあちゃんが作った、おにぎりとおみそ汁が、朝ご飯だった。

ホントにこの辺は、逮捕者がいないんだなぁ・・・・

そんなところに、逮捕されてきて・・・・

また、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった・・・





おばあちゃんが作ってくれたおにぎりは、とってもおいしかった・・・・



続く・・・