小百合の傷も完治し、いつものようにメンバーは集まっていた。
「…という事が昨日あったんだわ。」
「あったんだわ…じゃない!!」
ダンッ!とカウンターを叩き、勢いと共に立ち上がる。
「そんな恐ろしい奴に一人で遭遇するなんて、もしやられでもしたらどうするの!」
「いや、でも情報は早めに集めた方が良いかな~…なんて…」
「だからって私達に何も言わずに行くのはおかしいよね?毎回言ってるのに!」
「ただでさえ危ないのに心配かけさせないで!」
「はい……すいません…」
「だいたいいつも……」
「こりゃしばらく終わりそうもないな…」
「ああなると止まりませんからね…」
「まさに鬼の形相……あれってよくある事なの?」
テーブル席へとそそくさ避難した三人は、遠くからその状況を見ていた。
「たまに…不安なんだろうな。ゆみ姉何も言わずに行っちゃうから。」
「最近の事もありますし…あまり油断はできないですからね。」
「唯一の家族だしね…」
家族を失う気持ちは分からない。でもきっと、二度と味わいたくないものには違いない。
「明日生きている保証なんてどこにもないし、存在しない。裏にいる私達なら特に、ね…」
騒がしい二人を見る聖羅は、憂いを帯びた目をしていた。
「それでも私達は裏から離れられない。だったら必死にもがいて、守るだけよね。」
聞いていた二人が、力強く頷いた。
「コホン…昨日見た奴からして、桜井は恐らく白石・齋藤の二人より格上…あいつが実質的なリーダーだろう。」
「そして残留思念からの情報から、陰憑きは四人プラス一人で五人。」
「私達の前に姿を見せたのは四人…あと一人は未だ不明…」
「能力もまだよく分かっていませんね…」
「生駒もあれ以来見てないし…」
「でも分かったこともある。」
「何?」
一同の視線が集まる。
「あいつらは…この町にいる…!」
「⁉️」
それは驚愕する事実だった。