今は昔、竹取りの翁といふものありける。

言わずと知れた竹取物語の冒頭です。
今夜は中秋の名月。
見事な満月を見ると、かぐや姫を思い出します。

さて、この竹取物語のラスト、ご存じでしょうか?
かぐや姫は月へと帰っていったとさ、めでたしめでたし…
だと思ったら大間違い。
かぐや姫が月に帰った後、重要なエピソードがついているのです。

かぐや姫を迎えにきた使いの人が、おじいさんとおばあさんに薬の壺を渡します。
それはなんと、不死の薬でした。
しかし、かぐや姫のいないこの世で長生きすることに価値を見出だせなかった2人は、その薬を山の頂上で燃やしてしまいます。

その山をばふじの山とは名付けける。

そう、この山こそが現在の富士山だったのです(わからなかった人のために解説しましょう。不死と富士とをかけてるのです。)


さて、ここで疑問が湧いてきます。
竹取物語は、富士山の名前の由来を説明した話なのでしょうか。
それとも、竹取物語の影響で富士山と呼ばれるようになったのでしょうか。


竹取り物語は成立年も作者も不明の物語。
これでは富士山という名前が先か、竹取物語が先か、わかりません。

個人的には富士山という名前が先だと思っています。
一般的に知られている竹取物語のように、かぐや姫が月へ帰るシーンでおしまいでも、この物語は十分に成立しうるのです。
まるで取って付けたように富士山のエピソードがついていることが不思議なのです。
作者が後からつけたエピソードとも考えられるし、もともと富士山の名前の由来を説明することを目的に作った物語だとも考えられます。

かぐや姫は富士山あっての存在とも言えるのではないでしょうか。
竹取物語も一緒に世界遺産にしてあげて。