夢で見たことにちょっと付け加えて
短編にしました。
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いつも、隣にいる彼。
いつもの場所。
座っている時の表情がちょっと怖い。
「怒ってる?」
彼の顔を覗き込みながら問いかけてみた。
「なんで?」
「怖い顔してるから…」
「そう?」
そう言って彼は小さく微笑んだ。
その顔にドキッとする。
少しだけ寄り添ってみると、優しく肩を抱いてくれた。
「安心する場所」
私がそう言うと彼は私の膝辺りをそっと触る。
これは決していやらしいことではなくて、彼の安心する仕草。
私の膝を軽くタッチしながらテレビを観て笑ってる。
「ねぇ、」
呼びかけて隣を見ると思いのほかものすごく顔が近いことに気付く。
「なに?」
彼が優しく私を見つめるとものすごく恥ずかしくなって肩にある彼の腕をどけて立ち上がった。
「どうしたの?」
急に立ち上がる私を見て不思議そうな顔をした。
「ちょっと…喉乾いちゃって…」
おもむろにキッチンに行き水を飲む。
彼はソファーに座ったまま、まだテレビを観ていた。
また、隣に座るのが急に恥ずかしくなった。
いつも隣にいるのに今日はいつになく彼にドキドキしている。
なんでかな…?
好きな気持ちがさらに増えたかな。
「早くこっちに座って?」
彼が私にそう言って呼びかける。
彼に胸のドキドキを悟られないように少し離れて座った。
「なんで?離れるの?」
「別に…」
彼は私に近付いて座り直してまた膝をそっと触る。
「ねぇ?」
彼が問いかける。
「何?」
「好きって言われたことあったっけ?」
「えっ?」
私がびっくりして彼の方を見るとやっぱりものすごく顔が近い。
「好きって言われたことあったっけ?」
顔が近付いたまま私に問いかける。
「あるよ…たぶん。」
「そっか、そうだっけ?」
「うん。」
その近付いた顔がさらに近くなって唇が軽く触れた。
唇が離れると彼は私の膝を触ったまま、またテレビを観ている。
やっぱり好き。
そして、さらに好きになってる。
「ねぇ、好きが増してるかも、私…」
ボソッと呟くと「知ってるよ、そんなの。」そう言って彼は私を見つめた。
そして、小さく微笑んだ。
大好き。
愛してる。