君と歩く未来を50『迷い』 | ニノのこと♡少し韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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50


『迷い』


紗栄子は楓が帰って来る日、空港まで迎えに行った。


「ただいま。」楓は紗栄子を見つけてニコッと、笑った。

「おかえり、楓」

紗栄子は楓に抱きついた。


「紗栄子、元気だった?」


「うん。楓がいなくて寂しかった。」


「本当に?」


「本当。」
紗栄子はニコッと笑った。


二人は空港からタクシーに乗って楓のアパートへと向かった。


「今日は、二宮くんは?呼ばなかったの?」


「うん。帰って来ること連絡してないんだ。」


「そっか。」


「紗栄子、カズくんとはどうなの?」


「えっ、二宮くんと?」


「あれ?だって、紗栄子、好きだって言ってたよね?」


「うん。好きだよ。でもね。友達のまま(笑)」


「そうなの?」


「うん。いいんだ。友達のままでも。」


「そうなんだ。」


「うん。それより、楓はどうなの?その彼とは。」


「うん…なんかね。よく分かんなくて…」


「分かんない?」
紗栄子は楓を見た。


「好きって気持ちは友達としてなのかなって…ずっと友達だったから…」


「でも、一緒に暮らしてたんでしょ?一年も。」


「うん…でもね。翔くん、抱いてくれなかったんだ。」


「そうなの?!一年も一緒に暮らしてて?」


「うん。本当に好きなのか好きでいてくれたのか分かんなくて。私…最初の夜に泣いちゃって、それが原因かなって。」



「泣いたの?どうして?」


「キスしてくれて、そしたらなんか…」


「楓?」


「なに?」


「本当は二宮くんの所に行きたかったんじゃない?」


「えっ?」


「楓、本当は二宮くんを選びたかったんじゃない?」


「紗栄子、私は…」


「分かってるよ、二宮くんにフラたこと。でもね、二宮くん、ずっと悩んでた。私それを見てきたの。」


「紗栄子…なんかごめん。紗栄子だってカズくんが好きなのにね。」


「もう、バカだな、楓は。そんな事気にしなくてもいいんだよ。二宮くんは本当に楓のことが好きだよ。見てれば分かる。」


「紗栄子、私…どうしたらいい?」

楓は紗栄子を見て泣き出した。

「楓…」

紗栄子は楓の頭を撫でながら抱きしめた。

「私もう、分かんない。」

「自分の気持ちに正直になりな。楓。彼にはきちんと話した方がいい。翔くんだっけ?彼もさ迷ってたんじゃない?だから楓を抱かなかったんだよ。」


「…翔くん優しかったんだよ。ずっと…泣いた理由も…あんまり聞かなかった。ずっと笑ってくれてるの。」


「裏切りたくない?フリたくない?傷付けたくない?」

紗栄子は楓の顔を覗き込んだ。


「…カズくんに会いたい…」

楓は紗栄子を見た。


「楓、答えになってないよ?彼はどうするの?」


「…少し考えたい…私、ずっと後悔してたのかもしれない。」
楓は、紗栄子を見つめた。


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櫻井は楓が日本に、帰ったあと二宮に久しぶりにLINEをした。


«カズ、久しぶり。»


«翔ちゃん、久しぶり。どうしたの?»


«今日、楓、そっちに帰ったよ。»


«そうなの?なんかあった?»


«仕事が1年間だけの休暇だったし、そろそろ1年経つしね。»


«そっか。そうなんだ。»


«なぁ、カズ?»


«なに?»


«楓、こっちに来て笑わなくなったんだ。»


«楓が?あんなによく、笑う子なのに?»


«うん。どうしたらいいのか分かんなくて。»


«そっか…»


«俺、来週そっちに帰るよ。休暇もらえそうなんだ。»


«うん。分かった。待ってるから。»



櫻井はスマホをテーブルに置くとベランダに出た。


楓と見たベランダからの景色。

なんであの時泣いたんだろうか?

俺といても笑わなくなった。

やっぱり…諦める?

せっかく手に入れたのに自ら手放さなくちゃならない。


でも、その前にもう一度。


俺は帰国の準備をした。


来週、会いに行く。


楓、やっぱり会いたい。


諦めたくない。


俺は迷いの中にいた。


続く