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俺がロウソクの火を消すと部屋が真っ暗になった。
と、同時に明かりがついた。
「おめでとう~」と手を叩く音がした。
前を向くと4人が笑顔で俺を見ていた。
「ありがとう。でも、急にどうしたの?」
「ニノちゃんの誕生日なんだからお祝いしなきゃって。」
まぁくんがニコニコして俺を見ていた。
「ちょうど、今日はみんな仕事で同じホテルだったしな。」
智が嬉しそうにみんなを見たあと俺を見て微笑んだ。
ソファーに座って目の前にあるケーキを見ていたらなんだか泣けてきた。
「……………」
「カズ?」翔ちゃんが俺の隣に座って顔を覗き込んできた。
俺は泣いてるのを見られるのが嫌で翔ちゃんが俺の肩に置いた手を軽くどけて、ソファーから立ち上がった。
「ニノちゃん?」
「もう遅いしさ、明日もあるから帰りなよ。」
心にないことを口にする。
本当はみんなが帰ったら寂しいくせに。
「やだよ。帰んないよ。」
大野さんがそう言って笑った。
「でも…明日早いよ?」
「カズにまだプレゼント渡してないもん。」
そう言うとどこから持ってきたのかJが大きな袋を抱えて来た。
「これ、みんなで買いに行ったんだからね。」
相葉くんが嬉しそうにそう言った。
「買いに行ったんじゃないでしょ?」
翔ちゃんが眉間にシワを寄せて相葉くんを見る。
「えっ?だってみんなで選んだじゃん。」
「いやいや、選んだけど買いには行ってない。」Jも手ぶりまで付けて否定する。
「松潤のさ、パソコンで見て選んだだけじゃん。」
大野さんがそう言って笑った。
「まぁ、そうだけど、みんなで買いに行ったようなもんでしょ?」
「まぁ、そうね、そうだね。」翔ちゃんが眉を下げて笑っていた。
「あの、俺だけ話しについていけてないんですけど?」
「あぁ、ごめん。ニノちゃん。」
「主役は俺よ?」
そう言うとみんな笑った。
さっきまでの嬉しくて泣きそうな気持ちはどこかへ行ってしまった。
それでも、自分の知らない所で自分へのプレゼントを選んでいるみんなを想うとやっぱりちょっと…泣きそうになった。
続く