可愛くて小さい花。
見つけた瞬間、私は笑顔になった。
黄色いタンポポ。
彼を思い出した。
隣で笑う君を。
また、会えるかな。
「花、好き?」
「うん。」
「じゃあ、これ。」
彼は小さなタンポポを一つ摘んで私に渡した。
広い芝の公園。
所々に咲く黄色い花。
彼はしゃがんでそれを見ていた。
私も隣でそれを見つめる。
「いつ、行っちゃうの?」
「うん...」
「ん?」私が彼の顔を覗き込む。
覗き込んだ私の顔を見て小さく微笑む。
「明日だよ。」
「明日?本当に?」
「うん...」
「そっか。」
彼はゆっくり立ち上がった。
私も立ち上がって彼と同じ目線になる。
視線が合ってキスをした。
少し暖かい風が吹く。
私の髪がなびいて顔にかかると彼がそれをどけてくれた。
「じゃあ、またね。」
「うん。じゃあ、また。」
永遠の別れみたいなりたくなくて「またね。」と言った。
彼はゆっくりと私に背を向けて歩き出した。
私も彼に背を向けて歩き出した。
窓際に飾られた黄色いタンポポは、いつの間にか小さくなっていた。
今日見た小さい花は彼を思い出させてくれた。
そして、幸せを運んで来てくれた。
「久しぶり。」
私は、嬉しくて彼に飛びついた。
「おかえり。」
「ただいま。」
よく分からない妄想にお付き合いいただきありがとうございますm(*_ _)m