いつの間にか...(ニノ)⑧ | ニノのこと♡韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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私は翔ちゃんの背中を見つめたまま動けなかった。


「ごめん。今日は一人で帰るから。」

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背中を向けたまま振り返る事なく翔ちゃんは行ってしまった。


私はしばらく背中を見つめていた。


振り向くといいのに、そう思ったけど...


いつの間にか人混みの中に消えて行った。

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私はしばらく動けずにその場に立ち尽くした。



私の気持ちはどこにあるの?


仕方なくゆっくりと歩き出すと肩を叩かれた。


「見つけた。」


「えっ?」


振り返ると二宮くんの妹だった。


「ごめんなさい。」


彼女が私に謝る。


「どうして?」


「お兄ちゃん、強引でしょ?」


「あっ、うん...」


「ふふふ、お姉さん正直ですね。」

その子は小さく笑った。


「あ、そう言えば二宮くんは?」


「先に帰りました。私はどうしてもお姉さんと話しがしたくて。」


「えっ?私?」


「はい。そこの喫茶店入りましょ。」


彼女はすぐ近くの喫茶店に入ってしまった。


私も慌てて追いかけて喫茶店の中へと入った。


席に着くとコーヒーを注文した。


「で、私に用って...?」


「私、お兄ちゃんが好きなんです。」


「えっ?ちょっと待って。兄妹でしょ?」


「はい。でも好きなんです。分かります?」


「いや...ごめん、ちょっと分からない。」


その時注文していたコーヒーが来た。

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「実は血は繋がってないんです。」


「えっ?」


「って言ったら信じます?」


「ちょっとからかわないで。」


「ごめんなさい。でも本当に。自分でも困ってます。どうしてもお兄ちゃんが好きなんです。だから、彼女には嫉妬もするしヤキモチも...」


「でも、私は違うよ。彼女じゃない。」


「分かってます。でも...お兄ちゃん本気ですよ。分かるんです。」


「あの...だから私にどうしろって?」


「なんか、お姉さんならいいかなって思えるんです。お兄ちゃんと幸せになって欲しいって。私もそろそろ自分の気持ちにちゃんと向き合って。ケリをつけたいんです。」


「そのために私を利用するの?」


「利用だなんて...違いますよ」


「見たでしょ?私、彼氏がいるんだよ。二宮くんのせいで怒らせちゃったし。」


「だからそれを謝りにも来たんです。本当にすいません。」


彼女は座ったまま頭を下げた。


「もう、いいよ。こっちこそごめん。」


何だかいろんな事がめんどくさくなった。
そもそも、妹なのにお兄ちゃんを好きだなんて。
私には全く理解出来なかった。



そして、自分の気持ちにもはっきりと気付いた。




「私...たぶん、二宮くんが好きだよ。」


私は窓の外を見ながらそう言った。