5人の空47 | ニノのこと♡少し韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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櫻井はゆっくりと病室のスライドドアを開けた。


中へ入って驚いた。


こんな部屋あったんだ?



松本と大野も櫻井に続いて部屋に入る。


「わっ、すげー」大野は思わず声が出た。


「何これ?ホテルみたいじゃん。」松本もびっくりしていた。


松本は部屋の中にあるベッドを見た。


「雅紀、眠ってる。」


三人はベッドの横へ行った。


よく眠っている。


「雅紀?」松本が呼びかけてみた。


相葉は、少しだけ動いた。


「相葉ちゃん、なんか辛そうな顔してるよ。」

大野が不安そうに相葉を見つめる。



櫻井が相葉の手を取って握る。


「雅紀?俺たちの事分かる?」


問いかけてみたが返事はなかった。







相葉は、遠い意識の中で自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。


あれ?

俺、今どこにいるの?

みんなが呼んでる気がする。




『相葉くん?』


『ん?』


『相葉くん!』


相葉は揺すられて目を覚ました。


『また、寝てたよ?大丈夫?』

美紀が相葉を見て心配そうにしていた。


『あ、ごめん。昨日仕事でちょっと疲れちゃって。』


『また、ノート写すでしょ?貸すからね。』


『ありがと。』


授業が終わっていつの間にか休み時間になっていた。


『また美紀はノート貸すの?』


『だって、相葉くん寝ちゃってるし。』


『また?』


『ごめん、なんか疲れちゃってて。』


『相葉、大丈夫なの?ちゃんと休めてるの?』


『大丈夫。ありがとね。』


『ねぇ、帰りちょっと寄らない?』


『おっ、いいね!行こうか?』


三人は、よく学校帰りにファーストフード店に寄った。

そこで軽く食べてたわいもない話しをするのが楽しかった。



―放課後―


『今日はさ、やっぱり最近出来たドーナツ屋さんに行きたい。』美紀が嬉しそうにそう言った。


『ドーナツ屋?そういうのはさ、女子同士で行けばいいんじゃないの?』

高橋が嫌そうな顔をした。


『えー、ドーナツ屋行きたいもん。』

美紀がむくれる。

『女子の友達いないのかよ?』


すると、そこへ『美紀?今日ドーナツ屋寄って行かない?』と女子が何人か美紀に声を掛けてきた。


『ほらー、行けよ。』高橋が美紀を見る。


『えー、でも。』


『行ってきなよ。』
相葉も美紀に行くように促した。


『いいの?』


『いいよ、行っておいで。』


『うん。じゃあ、三人で行くのはまた今度ね。』

そう言って美紀は女友達と教室を出て行った。


『なぁ?』
高橋が相葉を見た。


『ん?』


『美紀はさ、相葉と一緒に行きたかったんじゃない?』


『えっ?なんで?』


『いや、何となくさ。美紀って、相葉が学校へ来ると嬉しそうだし。』

高橋はちょっと膨れたような顔をした。


『何?焼いてんの?』


『バカ、美紀とは幼馴染だ。女として見たことなんて一度もないよ。』


『またまた~。』


『それより、どうする?二人で行く?マック?』


『あぁ、そうだな。行こうか!』


相葉は、高橋と二人でファーストフード店に行ってたわいもない話しをして楽しんだ。


次の日もその次の日も。


ずっと三人一緒だった。


楽しかったんだ。


あれ?


でもいつから美紀はいなくなったんだ?


そう言えばいつからか高橋と二人になった。


卒業式には美紀はいなかった。


どうしてだろう…


留学したと聞いていた。


でも。


考えてみればおかしな話しだ。


そんな突然、留学だなんて。


『相葉、おまえのせいだ。』


『えっ?』


『美紀はおまえのせいでいなくなったんだ。』



『どうして?』


『まだ、分からないのか?!』


『うそだ。』


俺は真っ暗闇をひたすら歩いた。


美紀はどこにもいない。


教室を探した。


いなかった。


図書館も探した。


体育館にも行った。


三人でよく行ったファーストフード店も行った。


誰もいない。


高橋が立っていた。


やっぱりおまえのせいだ。


ナイフを持っていた。


高橋...?


どうして?



どうして...?






「ねぇ、相葉ちゃん、唸ってる、大丈夫なの?」

大野は心配そうに相葉の顔を覗き込んだ。


「雅紀?」


相葉は眉間にシワを寄せてうなされていた。


松本は「雅紀?大丈夫?大丈夫だよ。」そう話し掛けた。



それでも、相葉は苦しそうにうなされていた。



続く