27
潤は眠れない日々が続いていた。
ベッドでゴロゴロと寝返りを打つ。
暑いな・・・。
いつも隣で寝ているあけみがいない。
それだけで何となくベッドが広くそして寂しく感じた。
いや、あけみがいないのは俺にとって「それだけ」の事ではない。
重要な事だ。
今日は暑く寝苦しい夜だった。
こんな時あけみはよく、水枕を出して来てくれた。
『潤くん、これ使ってみて。』
『何?』
『水枕。』
『水枕?』
『うん。首元を冷やしてみるとよく眠れるよ。』
『ありがと。』
俺はあけみに優しく微笑みかけた。
あけみも俺を見て優しく微笑んだ。
目と目が合ってキスをする。
二人はそのまま眠りについた。
そうか。一緒に暮らし始めてもう1年以上になるんだな。
去年の夏より少し前からだった。
二人で家具を揃えてこの部屋も二人で決めた。
優しいあけみの笑顔が頭から離れない。
なんで出ていくって言った時に止めなかったんだろう。
あの時しっかり捕まえていれば。
後悔しても遅い。
会う日も少しずつ近付いていた。
早く会いたい。
潤はベッドで天井を見つめているうちに眠りについた。